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移植用の耳を3Dプリンターでつくる

CREDIT: SPECTOR LAB

米コーネル大学の医学部と工学部の研究者らは、最新の組織工学技術と3Dプリンターを使って、見た目や感触が実物に近い移植用の耳を作製した。

この研究に取り組んでいるのは同大学で形成外科を専門とするJason Spector教授が率いるチーム。今回Spector氏らは耳のレプリカのために、構造を保持しながら細胞の増殖を促す足場となるスキャフォールドを、3Dプリンターを用いてプラスチックで作製した。

以前の研究では、コラーゲンで作られたスキャフォールドに動物由来の軟骨細胞を植え付けていた。この方法だと、初めはうまく成長するのだが、時間が経つにつれてタンパク質の網目構造に引っ張る力が加わり、形成された耳の大きさが半分程度に縮んでしまった。

この課題に対処するために3Dプリンターを導入し、移植対象者の一方の耳からデータを取り、精巧な耳の形のプラスチック製のスキャフォールドを作製した。

コラーゲンでできたスキャフォールドの場合とは異なり、プラスチック製のスキャフォールドは、鉄筋のように強化し収縮を防いだ。その後3カ月から6カ月かけて、耳の特徴を忠実に再現した組織を含む軟骨へと成長した。柔軟性や弾力性もヒトの耳の軟骨と同等だが、丈夫さは十分とはいえず裂けてしまう可能性がある。

Spector氏らは次の方策として、移植対象者の一方の耳から少量の軟骨細胞を取り出し、この軟骨細胞を注入して丈夫さを補強しようと考えている。

fabcross for エンジニアより転載)

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