スライダーとピンマトリクスでアンビエントサウンドを——アナログポリフォニックシンセサイザー「ALT」
2024/06/19 06:30
ピンマトリクス搭載のアナログシンセサイザー「ALT」がKickstarterに登場し、わずか4分で目標額の調達に成功している。
ALTは、フランス発のプロジェクト、パリのワークショップcyma formaによるもので、友人2人組Vincent&Vincent(共に名前がVincent)が開発した。Vincent Galinier氏は自動車エンジニア、Vincent Despins氏は音楽/メディア制作の出身で、両氏とも、電子楽器と音を可視化するサイマティクス(Cymatics)に興味があり、サイマティクスの実験を繰り返した後、可視化デバイスにフィードする美しい波形を生成するツールの製作に取り掛かったという。
ALTは、5鍵のメカニカルキーボードやスライダー、ピンマトリクスを使ったユニークなハンズオン操作で、直感的なサウンドスケープシンセサイザーとしてデザインされている。内蔵のメカニカルキーとスライダーで、5ボイスのポリフォニック、外部キーボードを使った場合はモノフォニックシンセとして機能する。ピンマトリクスでは、LFO×2、ランダムステップジェネレーター、エンベロープフォロワーの4つのモジュレーションソースに加え、17の入力先を選択できる。
音階はクロマティック、メジャー、マイナー、マイナーペンタトニック、ビザンティンの5つのスケールを備え、製品版ではスケールの追加や、ユーザーによるカスタマイズにも対応する予定。さらに、光センサー×2とマイクを内蔵し、周囲の環境に反応したサウンドモーションの生成も可能だ。
ALTは、今なら990ユーロ(約16万7000円)で提供しており、ポスターとピン20本が付属する。出荷は2025年2月の予定で、日本への送料は60ユーロ(約1万100円)だ。2024年6月29日までクラウドファンディングを実施し、6月18日時点で4万ユーロ(約674万円)の目標額を大きく上回る約24万ユーロ(約4047万円)を集めている。