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Arduino制御の3Dプリント製6+1軸ロボットアームを改良——部品の素材を変更して剛性向上

デスクトップサイズのDIYロボットアーム「Real Robot One(以下、RR1)」バージョン2をArduino公式ブログが紹介した。

このプロジェクトは、3Dプリントしたパーツとどこでも入手できる電子機器で構築する6+1軸のロボットアームだ。DIYロボット工学分野での可能性を探求するため、チェコ工科大学のPavel Surynek教授が2022年から開発している。

最初に作製されたバージョン1は、6自由度に加えグリッパー用に1自由度を持つロボットアームで、遊星ギアやリングギアを含む全てのパーツはPETGフィラメントを使って3Dプリントされていた。各ジョイント(関節)にロータリーエンコーダーを取り付けており、このエンコーダーによる閉ループ制御を採用している。これらのエンコーダーに加え、モーターのトルクをアクチュエーターに伝えるカスタムギアボックスやシャフトに取り付けるエンコーダーなども使用している。

Real Robot One (RR1) V2

バージョン1を改良したバージョン2では、遊星ギアとリングギアの造形に使うフィラメントをPETGからカーボンファイバー配合ポリカーボネート(PCCF)に変更したことで、ギアボックスのバックラッシュが大幅に減少し、剛性も向上している。ステッピングモーターは合計で7個使用しており、全てArduino Dueで制御している。

また、バージョン2ではギアボックスをベルトで駆動する機構に変更し、エンコーダーを各ジョイントの周囲に移動させて位置追跡を向上させている。さらに、グリッパーをフレキシブル素材のTPUで造形しており、完全に設計し直したリスト部と固定する箇所を増やしている。

バージョン2ではベアリングを増やしたため、バージョン1で14kgだったRR1の重量は16.8kgと大幅に増加したが、それでも大きなスーツケースに収納して運べるとのことだ。

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