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パトレイバーに乗れる! 操作できる! 体験施設が期間限定で都内にオープン

人が搭乗できるロボットを開発するスタートアップ「MOVeLOT(ムーヴロット)」は、「機動警察パトレイバー」のイングラムを操縦できる施設を期間限定でオープンする。期間は2024年10月1日から31日までの1カ月間、会場は東京都墨田区の特設会場。申し込みは同社Webサイトで2024年9月15日から受け付ける。

メディア向けに同社が開催した体験会では、開発中の実機を使ったデモンストレーションが公開された。

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photo グローブを使った指の動作のデモンストレーション。イングラムの指には弾力性のある樹脂素材を採用することで把持しやすくしているという。また指に何かが触れた際に対象物を握り潰すことが無いよう、トルク制御が機能するなど安全面でも工夫が凝らされている。

MOVeLOTが開発したロボットは、「機動警察パトレイバー」に登場する二足歩行ロボットイングラムの上半身部分を再現したモデルだ。搭乗時に装着するグローブで両手の指を操作でき、コックピット内のレバーを通じて手のひらの向きを変えることができる。指の関節毎にモーターを搭載し、操縦者の関節の動きも忠実に再現する。

photo ロボットを制御するソフトウェア「ロボトラ」のコンソール画面

イングラムの動きの制御はTailWay Laboratoryが開発したロボット用ミドルウェア「ロボトラ」を採用している。TailWay Laboratoryは香川県高松市で医療用機械器具卸売業を営む尾路医科器械の研究/開発事業部の別称。試験管の遠心分離機などに使用するソフトウェア技術をロボットに応用しているという。

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photo 開発中のイングラムの外観とコックピット

コックピットは1人乗り。原作ではスタイルを重視してかなり小さく描かれているが、実機で再現するにあたり成人男性でも搭乗できるようにサイズを調整したという。左右にはイングラムの手の向きを操作できるレバーが備えられている。記者体験会では右手のみ操作可能な状態だったが、正式運用開始時には両手が操作できるようになるよう調整中だ。

photo コックピットからイングラムの手を操作した際の様子
photo 身長180センチ弱の男性記者が乗ったときの様子

設計にはアミューズメント業界やロボット業界の技術者が参加。国内のロボットコミュニティの中で知り合ったメンバーでイングラムを開発している。開発資金は主にVCからの調達した1億1500万円でまかない、開発には約1年半を要した。

イングラムはSNSでの事前告知から注目を集め、9月15日に開催するお披露目会には10人の応募枠に対して3820人の応募があったという。搭乗イベントのチケットは「イングラム操縦」「イングラムが動作している様子の見学」「イングラムが動作していない状態での見学」と3種類のチケットを用意。価格は操縦が5000円前後、見学は1000〜2000円程度で調整中とのことだ。2024年9月15日からオンラインでチケットを販売する。

創業者廣井健人氏へのインタビュー

photo 創業者の廣井健人氏は、かつて新宿 歌舞伎町にあった「ロボットレストラン」で営業部長と広報を担当。ロボットとエンターテインメントが交わるビジネスに可能性を見出す。その後、電気を使わない人型ロボットスーツを開発するスケルトニクス(現ロボットライド)に入社。同社のCEOを経て2023年に自身の会社を興した。

イングラム開発の経緯

スケルトニクスに在籍していた際、搭乗体験に来ていたのは子連れの40代から50代の大人だったので、この年代向けのロボットを再現したいと考えていました。パトレイバーの版権を管理するヘッドギアに提案したところ、新作「機動警察パトレイバー EZY」のプロモーションにもなるとの事で快諾いただきました。

上半身のみにした理由

下半身まで再現し立った状態になると、安全面でのリスクが高くなります。また製作コストも10倍になるため、今回は上半身のみを再現することにしました。エンターテインメントとロボットを組み合わせた市場は未だ国内で成立していないので、まずは現実的に可能な形で再現し、さまざまな人が体験する機会を提供することで、「ロボット操縦」というエンターテインメントを確立させたいと考えています。その上で最終的には下半身も再現した操縦体験へと発展させたいと思います。

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今回の開発でこだわった点

コックピット内部の作り込みにはこだわっています。単純に乗るだけでは退屈なので、空間を含めた体験価値に重点を置いて、現在も開発を進めています。

ロボット操縦×エンターテインメントの可能性について

当社では既にインバウンド向けのロボット操縦スペース(Robot Base)をインバウンド観光客向けに2023年から提供していますが、これまで600人以上が利用しています。今回のイングラムについても、2〜3割が海外から寄せられていて、大きな可能性を感じています。

10月からの搭乗イベントの目標と、今後について

まずは1カ月間、1人でも多くの人に会場に来てほしいですね。1カ月の間に、さまざまなデータやフィードバックを収集しながら、今後に反映したいと考えています。日本にロボット×エンターテインメントを定義し、ロボット操縦という事業を根付かせることで、さまざまな企業が参入できるようにしたいと考えています。

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