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東北大学が3Dプリンターを活用し、CFRPとチタン合金を接着剤なしで直接接合する技術を開発

東北大学大学院工学研究科の研究グループは、3Dプリンターを活用して炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とチタン合金を接着剤なしで直接接合する技術を開発した。

航空宇宙産業や自動車産業では、環境負荷の低減や生産効率向上を目的として、アディティブマニュファクチャリング(AM)技術の活用が進んでいる。中でもCFRPと金属を組み合わせるマルチマテリアル化は、構造部材を軽量化し、AMの付加価値を高める上で重要視されている。

従来、CFRPと金属の接合には接着剤が必要だが、開発した技術では短炭素繊維と熱可塑性樹脂ポリアミド6からなるCFRP(短繊維CFRTP)を直接チタン合金基板に接合できる。3Dプリンターの印刷ベッドにホットプレートを組み込み、CFRPを積層造形すると同時にチタン合金基板に熱融着する手法により、接着剤による接合を上回る高い接着強度(最大27.3MPa)を達成した。

同技術は、接着剤を使用せずにCFRPと金属を接合できるため、製造コストの削減や環境負荷の低減に寄与する。

また、研究グループは構造物や材料を数値的にシミュレーションする有限要素解析を実施し、接合界面の応力分布と破壊メカニズムを解明。接合部の強度向上の要因を明らかにした。

さらに、短繊維CFRPの上に連続繊維CFRTPを積層できることも確認している。金属基板上に短繊維CFRPを3D造形しながら、その表層を連続繊維CFRTPで補強可能になるため、航空、自動車以外の分野にもCFRPの適用が広がることが期待される。

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