イベントレポート
ものづくりのジャムセッション「大品モノラボ」に参加してきた
前回の「Tokyo Motion Control Network(TMCN)」に続く、コミュニティイベントレポート第2弾。品モノラボが主催した「大品モノラボ at DMM.make AKIBA」(以下、大品モノラボ)に参加した。品モノラボは東京・品川をベースとしたものづくりコミュニティだ。大品モノラボは普段行っている各自の作品発表会の拡大版で、いつもの倍の規模の会場に150人のMakerが参加した。会場は持ち寄った作品でごった返し、それを試す人たちの熱気に包まれた。大いに盛り上がったイベントの様子を報告する。
品モノラボはMakersの「バンドづくり」コミュニティ
袖振り合うも多生の縁という言葉がある。読者の皆さんは通勤電車に乗り合わせる人との縁を感じたことがあるだろうか。品モノラボは、品川で働いている、住んでいるなど品川に縁のある人を、「ものづくり」というキーワードで集めようとしているコミュニティだ。品モノラボは2013年3月から隔月で、ゲストスピーカーによる講演「学びの時間」と参加者の作品やアイデアを紹介しあう「シェアする時間」の2部構成の定例イベントを開催している。
大品モノラボではシェアする時間をメインに、ものづくり作品を持つ参加者が自由に作品展示をし、プレゼンを行うという自由な形式で行われた。冒頭では、恒例になっているゲストスピーカーによる講演の代わりに、品モノラボ発起人で運営委員会メンバーの田中章愛氏が「品モノラボのこれまでとこれから」と題して発表した。
「品モノラボはモノづくりバンドのコミュニティです。Make! Play! Debut!」田中氏は品モノラボをこう表現した。
品モノラボではものづくりに興味がある人たちが集まる場を定期的に開催している。アイデアを持った人が技術を持った人と出会って形にしていく。そんなことがこの品モノラボでは頻繁に起こっているようだ。そういった作品が発表され、いろんな人に楽しんでもらう様子を、若者がバンドを結成して曲を作ってライブをするさまに見立てた。
品モノラボはただ参加者が出会う場ではなく、作品を発表するイベントにもなっている。さながらバンドのライブイベントのようだ。イベントでお酒を飲みながら話したアイデアは、次回発表される作品になっているかもしれない。
品モノラボを始めたきっかけは勤務先での自主イベント
田中氏が品モノラボを始めたきっかけは、勤務先で有志により自主開催された「放課後イノベーション展」という、本業以外に創作活動・イノベーション創出に挑戦する社員やOBを集めたイベントだった。このイベントで自主的にさまざまな挑戦をする人々に刺激を受けた田中氏はこう思った、「これは社員だけに閉じなくてもいいのでは」。
田中氏の勤務先の品川には、ソニーやキヤノン、コクヨ、三菱重工業、日本マイクロソフトなどものづくりに関わる大企業がたくさんある。毎日、人がごった返す品川駅を見て「ここにいる多くのものづくりに関わる人々と単にすれ違うだけでなく、ノウハウを交換したい」と思ったそうだ。そこから社内外のメンバーに声をかけ、企画したのがこの品モノラボだ。
品モノラボでは、いろいろな特技を持ったメンバー自発的に動いてイベントを手作りしている。毎回のイベントで発行される会報「品モノマガジン」もその一つだ。絵が得意な運営メンバーが、マンガを交えて、品モノラボの動向や出展される作品の情報を伝えている。品モノラボのFacebookページで閲覧可能なので、ぜひ読んでみてほしい。