ものづくりラボ短期集中連載
3Dプリンタを改造しよう!——ブレを減らすベルトテンショナー付きモーターブラケット
「3Dプリンタを改造しよう」第3回は、今回改造するのは、「ベルトテンショナー付きモーターブラケット」というパーツです。
ベルトテンショナー付きモーターブラケットって何?
ベルトテンショナー付きモーターブラケット? 長いし何なのかよく分からない、という方も多いかもしれませんが、単語に分解して考えていきましょう。
ベルトは、プリントヘッドのXY方向の移動に使われているベルトのことで、テンションとは張りのことです。
ベルトテンショナーとは、ベルトのテンションを一定に保つものです。モーターブラケットとはモーターを固定する括弧状のパーツのことです。
BS01+にはもともとモーターブラケットが付いているのですが、ベルトテンショナー付きモーターブラケット(以下モーターブラケット)に交換すると造形精度が上がります。なぜでしょうか?
今回改造しているBS01+は、モーターの回転運動を、モーターの回転軸に付いているベルトで直線運動にし、その力でプリンタのヘッドがX軸Y軸に移動するように作られています。他の多くの3Dプリンタも同じように、モーターの動きをベルトで変換してヘッドを動かしています。ベルトがゆるいと、モーターが高速で回るときにXY座標がしっかり定まらず、精度が悪くなってしまいます。
そこで、ベルトをキツくすると、造形の際、モーターが高速で回ってもXY座標がしっかりと定まり、精度よくプリントできます。
しかし、ベルトがキツい状態で激しく動くとベルトに負荷がかかる可能性もあります。そこで、今回のモーターブラケットは、負荷がかかるとスプリングが伸びて力が逃げ、激しい動きにも耐えられるように設計されています。
では改造していきましょう。
まず、モーターブラケットの改造に必要な部品がこれです。
ベアリング(623ZZ)×2
スプリング(E653)×2
六角穴付きボルト(M3×20mm)×4
3Dプリントパーツ×4
まずは、パーツのデータをダウンロードして3Dプリントします。このパーツは、モーターの熱でパーツが柔らかくなったり融けてしまったりしないように、融点が高いABSでプリントします。
サポートなしではプリントが難しい形状なので、サポートありでプリントします。ボルトを貫通させる穴は3mmより少し大きく、ボルトを差し込む穴は3mmか、それより少し小さい径の穴をあけてプリントします。
ではまず、1のパーツの穴にボルトを、六角レンチか手でねじ込んでいきます。もしボルトがねじ込めない場合は棒やすり等で削って穴を大きくします。
ボルトにベアリングを通します。
貫通しない程度にボルトをねじ込みます。これで1のパーツは完成です。
次に、2のパーツにもボルトをねじ込みます。
ボルトが入ることが確認できたら、一度ボルトを外し、スプリングをボルトに通してから、ボルトをパーツに入れて固定します。
3のパーツに、裏側からボルトでベアリングを固定します。
1と2のパーツと同じように、ボルトをスプリングに通して3と4のパーツに入れて固定します。