「そらちゃーん！　一人暮らしのお祝い持ってきたよ!!」

「あ、淺野さん。ありがとうございます。わー、大きいですねー！」

「一人暮らしをして、そらちゃんがさみしいんじゃないかと思って、いつでもお母さんと一緒の気分を味わえて、それでいて実用的。そして、防犯グッズにもなるというものを作ってまいりました」

「それにしても、大きいですねこれ。なんですか？」

「それは開けてみてからのお楽しみということで。早速開けようよ！」

「（なんだこれ。顔ついてる……）」

「ジャジャーン！　ほら、そらちゃんのお母さんに協力してもらって、等身大のお母さん、作っちゃいました！」

「（お母さんの顔じゃん……。いつの間に淺野さんはこんなものを。というか、いつうち来たんだよ……）」

「これ、ただの等身大パネルじゃないよ。腕と足の部分を広げることができるんだ」

「ほら、なんか見覚えない？　レオナルド・ダ・ヴィンチが作った『ウィトルウィウス的人体図』っぽくしてみたんだ。そらちゃん、グラフィックデザイナーになるんでしょ？　だからこういうのぴったりなんじゃないかなと思って。黄金比もできるだけ再現してみました！」

「あ、はあ……」

「顔を取り外すと、鏡が入ってるんだよ！」

「あ、はい……」

「で、これが何かというとね。こういう風に洋服をかけていくと……」

「そ、そうですね……（この人、なんでテンション上がってるんだろう）」

「これ、窓際に置いておくと、防犯にもなるよ。女の子の一人暮らしはいろいろ危険だからね。いやー、一台三役」

「あ、ありがとうございます（これ、誰かに見られたら私がいろいろ疑われるわ……）」

「ということで、俺は帰るね！　一人暮らしで困ったことがあったら、いつでも呼んで!!　じゃあ！」

「あ、ありがとう、ご、ざい、ました」

「いただきまーす」

本館：9:00～20:00
資材館：7:00～20:00