情熱大陸出演記念インタビュー
岩谷圭介さんが情熱大陸で見せた宮古島の景色と、風船撮影の今
毎週日曜夜にTBS系列で放送される人気ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(制作:毎日放送)。2015年10月18日の放送に登場したのは、fabcrossで2014年に一緒に鯉のぼりを揚げた岩谷圭介さんだ。
岩谷さんは風船を使った宇宙撮影のオーソリティーとしてキャリアを重ね、多くの人から注目されるアーティストとして活躍している。今回はfabcross独占で、情熱大陸で放送された宮古島での撮影の裏側や、岩谷さんの活動についてインタビューした。2011年、たった一人で始めたプロジェクトが4年後に多くの人を巻き込むまでになるまでを伺った。(写真提供:岩谷圭介さん)
陸地とは全く違う海の難しさ
これまで北海道を拠点に活動してきた岩谷さんだったが、なぜ今回は宮古島での撮影になったのか。
「最も大きかったのは天候の問題です。北海道で打ち上げる場合は、最も天候が安定する春先と秋の終わりごろに行っていますが、今年は北海道上空の天候が非常に悪く、北海道以外の場所、それもできる限り緯度の低い場所で打ち上げる必要がありました」
海外での打ち上げも検討されたが、保険や法律上の問題などから最終的に岩谷さんが選んだ打ち上げ場所は沖縄県の宮古島。Facebook経由で知り合った沖縄の人を介して宮古島の漁師を紹介してもらったという。
地元の漁師さんのバックアップを得たとしても海で回収するのは、これまでとは全く勝手が違う。例えば領海の問題。日本の領海外に着水した場合、海上に漂流する機体の所有権は失われ、最初に拾った人のものとなる。そのため、正確に位置を把握しながら速やかに回収するべく、これまで開発してきた機体を海上仕様にカスタマイズして挑んだ。
「機体は沈まないよう、水の比重よりも軽くする必要がありますが、それで十分ではありません。どの程度水上に出ているか、そしてどのような姿勢になるかが極めて重要でした。自宅の風呂場で何度か実験しましたが、海でやってみたら全然違いました」
この他にもさまざまな問題があったそうだが、中でも潮流と波の問題もかなり大きかったという。