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情熱大陸出演記念インタビュー

岩谷圭介さんが情熱大陸で見せた宮古島の景色と、風船撮影の今

「仮にすべての情報を開示すれば、何も考えずに機体を作り、何の手続きも踏まないまま打ち上げる人が現れる可能性があります。ドローンのように決して落ちてはいけない場所に落下してしまえば、一気に規制されて、さまざまな可能性が閉ざされるリスクもあります。安全性や気候に関するノウハウなど、僕がブログで書いている情報をきちんと踏まえてトライすれば確実に飛ばせるようになりますし、失敗して原因を検証し再トライするというプロセスは風船撮影以外でも生かせる経験だと思うので、あえて全て公開はしません」

あらゆる場所で美しい宇宙からの風景を——風船撮影の未来

2015年9月に出版された「宇宙を撮りたい、風船で。」 4年間の挑戦の歴史と想いがまとめられている 2015年9月に出版された「宇宙を撮りたい、風船で。」 4年間の挑戦の歴史と想いがまとめられている

機体の改良以外にも岩谷さんが今後に向けて研究/開発を進めているのが撮影した映像の見せ方だ。放送でも紹介された全方向撮影画像のプラネタリウムでの上映もその一つだ。

「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して一人で鑑賞するよりも、プラネタリウムで多くの人と映像を共有することに魅力を感じています。みんなで住んでいる地球ですから、一人ではなく子どもや家族、恋人と地球の景色を共有したほうがより良い体験になると思います。今後進むべき方向として映像の美しさを向上させることも大事ですが、どういうシーンで、どういう風に見せるかを工夫することで作品の面白さも多様化していくと思います。プラネタリウムは、その一つの答えです。今後はチームでの開発を進めて、できることの幅を広げて、さまざまな形で作品に触れられるようにしていきます」

1年前に一緒に打ち上げをしたころと岩谷さんは全く変わっていなかった。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するエキセントリックな発明家ドグに憧れ、何度もチャレンジを重ねながら、自分のやりたいことを実現する姿勢と、その不断の努力から撮影できた作品の美しさは多くの人にも届いただろう。しかし、テレビで見せた岩谷さんの姿は通過点でしかなく、目指しているものはさらに遠くにある。fabcrossも引き続き岩谷さんの活動を追いながら、新しい作品の誕生を心待ちにしたいと思う。

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