情熱大陸出演記念インタビュー
岩谷圭介さんが情熱大陸で見せた宮古島の景色と、風船撮影の今
「位置情報が取れるのは海上に落ちてからです。伊良部島の沖合20kmに着水したのを確認してから2014年に開通した宮古ー伊良部を結ぶ伊良部大橋を渡り、伊良部島の漁港から船を出しました。浅瀬やサンゴ礁を避けながら向かっている間も、潮の流れで1時間に3km程度移動するので、まさに時間との戦いです」
陸路であればGPS情報を頼りに落下地点に移動するだけだが、回収にも苦労した。
「波1.5mほどの高さがあり、機体から発信される電波がさえぎられるという問題もありました。今回はこれまでとは違う仕様の電波モジュールを実装したり、1km先までに聞こえるブザー音が鳴るようにしたりしましたが、それでもアラームは船のエンジン音と波の音で全く役に立たず、目的地の付近で目で探すのが一番手っ取り早かったです(笑)」
さまざまな苦労はあったものの、放送されたように機体は無事回収され、多くの人に映像を届けることに成功した。
fabcrossで紹介してから1年半の間に岩谷さんを取り巻く環境は大きく変わった。
「メディアで紹介されたり企業の広告用に撮影したりすることで、引き合いが増え、さまざまな撮影機材を使えるようになりましたが、多くの人と協力してプロジェクトを進めるようになったというのが、最も重要な変化だったと思います。例えばGoProを複数台組み合わせて全天球撮影ができるようにしたときは設計エンジニアの方に協力してもらいました。今回の宮古島の撮影では波に負けない電波発信器の実装や、プラネタリウムでの上映など、自分一人では実現できないことを多くの方に協力していただくことで実現できています」