情熱大陸出演記念インタビュー
岩谷圭介さんが情熱大陸で見せた宮古島の景色と、風船撮影の今
「自分一人でできることをやる」から「やりたいことを実現するためにチームを組む」という発想に転換したことで、さまざまなプロジェクトが実現できるようになった一方で、打ち上げ自体の課題が新たに生まれた。
「風の強さや天候に大きく左右される今の打ち上げ方は、あらかじめ打ち上げ日を決めることができないので、関わる人が多くなるほどスケジューリングが難しくなります。例えば『来月の15日から5日間、3回打ち上げます』と言えれば、50人、100人と多くの人を巻き込んで新しいことができるのですが、これまでのようにギリギリまで打ち上げる日が分からない状況では限界があります。今年はこの問題解決を最優先課題としました。機体の改良等により、この問題は大分解消されましたので、今後は日程を確定して実施できる体制でプロジェクトを進めていけるのではないかと思っています。」
これまで一人で黙々と開発をしてきたが、チームを組むようになって、チームで進めることの意味を考えるようになり、多くの学びを得た。
「こういう仕様にしたら、あの人にこれぐらいの負担がかかるとか、こういうやり方にすることで、この人にどう動いてもらうかということを、周りの方から助言いただき、チームで進めるためのノウハウや意義を学びました。それがこの活動を広げるためにも必要な経験だと思います」
もともと、風船撮影に必要な情報を積極的にブログで公開してきた岩谷さんだが、作品を制作する規模も公開される規模も回を重ねるごとに大きくなり、自分も打ち上げてみたいという相談を受ける機会も増えている。
オープンソースにはしない理由
「学校からの問い合わせや企業が自社製品を飛ばしてみたいという相談もありました。僕自身、企業秘密にするつもりはなく、安全性や国内の法令に沿った形での風船撮影が広がり、面白い作品が増えていけばいいなと思っています」
しかし、全ての情報をオープンにするつもりはないという。なぜならば、打ち上げる本人自身がリスクや安全性を身をもって理解し、自分自身で検証する機会がないまま打ち上げるのはあまりにも危険だと考えているからだ。