TECH PARKインタビュー
働くママの「私が欲しい場所」から始まったテクノロジー学童保育+ファブラボ「TECH PARK」
ホビーから起業までカバーするTECH PARK MAKERS/ファブラボ天神
TECH PARK KIDSと併せて大人向けにオープンするTECH PARK MAKERSは、ファブラボとのダブルネームでオープンする。企画したのはTECH PARK KIDSのスタッフとして採用された鈴谷瑞樹さんだ。鈴谷さんは2012年に博多市内で「博多図工室」というファブ施設を立ち上げ、一人で切り盛りしていた。立ち上げたとき西日本にはファブ施設が全く無く、自身もソフトウェアエンジニアとして働いていた鈴谷さんは、ソフトウェア開発のようにハードウェアを製造できる環境を作りたいと思っていた。
「オープンソースのライブラリや書籍など、公知の事実であるものを活用しながらプロトタイプを作り、ブラッシュアップを重ねていくような作り方がハードウェアではまだ実現できないと知り、自分と同じようなエンジニアが困らないよう、そういった社会を作りたいと思って博多図工室を作りました」(鈴谷さん)
オープンするとエンジニアだけでなく、地元企業からの相談が数多く集まるようになった。
「元請けから仕事を減らされたときに、従業員を食わせていくために新製品を作っていかなきゃいけない。けど製品開発なんてやったことがないから手伝ってくれませんか、とかうちには機材もノウハウも無いので助けてほしいといった相談がものすごく多かったんです」(鈴谷さん)
そうした依頼を別の地場企業とつないでコーディネートする事業を続けていくうちに、個人での活動に限界を感じはじめた。
「僕一人でいろいろなプロジェクトをお手伝いしていくうちに、『レーザー加工だけが必要』とか『製造の、ある特定の段階だけが必要』といった、1人でカバーできるような相談にしか応える事ができなくなっていました。ソフトしか作ってこなかったけど、ハードウェアの量産に挑戦したいという人を、根気強く、時間をかけてサポートすることができなくなっていたことに気付いたんです」(鈴谷さん)
鈴谷さんは2015年に博多図工室をいったん休止。程なくして佐々木さんから、グルーヴノーツの社員になってTECH PARK KIDSを手伝ってほしいという相談が来る。その時、鈴谷さんは一人ではなく、組織でものづくりが支援できないかと提案した。
「話を進めていくうちに、もう一人の代表の最首(代表取締役社長の最首英裕さん)から、ファブ施設が併設されている学童保育なんて世界中に無いし面白い、という話を頂いたのがきっかけで今の形が実現できました」(鈴谷さん)