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TECH PARKインタビュー

働くママの「私が欲しい場所」から始まったテクノロジー学童保育+ファブラボ「TECH PARK」

個人のネットワークでは無く、組織の力とネットワークでハードウェアベンチャーを支援したい、そう考えた際に鈴谷さんがこだわったのはファブラボ・ネットワークへの参加だった。

「日本のファブラボの方たちも、ファブラボを持続可能なモデルにするためにビジネスともつなげていかなくてはいけないという思いを持っています。博多図工室のコンセプトをTECH PARKに持ち込み、ファブラボのネットワークをハブにして、さまざまな企業やファブラボがつながるようになれば、日本の中で新しい形のファブラボが作れるかもしれないと思いました。そのコンセプトをいろんな方に相談していくうちに、博多図工室でお世話になった金型屋さんや基板屋さん、『試験・評価だったらうちに任せてよ』って言ってくれる会社さんが集まってくれて、ものづくりをする人たちが主役になって起業していく文化を福岡に根付かせることができると思いました。ファブラボ天神という名前にはそういった想いが込められています」(鈴谷さん)

楽しみながら学び、ものづくりの沼にはまってほしい

「ハードウェアベンチャーの人たちは、作りたいものはある程度見えていて、製品化していく過程が楽しくて仕方がないと思います。それとは別に、何を作ったら楽しくなるか分からない人たちもいて、そういう人たちが身の回りのものをカスタマイズしたり、簡単な工作を始めたりするところから楽しさに気づいて、ものづくりの沼にはまってほしいと思っています(笑)。実際に僕も周りの人たちから教えてもらって、加速度的にものづくりの楽しさにはまっていった過去があって、そういう体験を天神に来る若い人たちにも体験してほしいし、設備が無いから作れないとあきらめていた人にこそ来てほしいです」(鈴谷さん)

「福岡は製造業が発達しているので、ものづくりのプロに入ってもらいながらプロフェッショナルになるための試行錯誤ができる環境を作っていきたいですね。ものづくりは1回作って終わりではなく、改良を繰り返すことで世の中に普及させていくことが重要なので、そういったサイクルを体験することで子どもだけでなく大人にも成長の機会が生まれると思います」(佐々木さん)

やりたいことを言い続けることが重要

オープン前のイベントとして開催された、登園バッグ制作ワークショップ オープン前のイベントとして開催された、登園バッグ制作ワークショップ

佐々木さんが掲げたTECH PARKというコンセプトに、さまざまな人達が集まり、1年足らずでオープンにこぎつけることができたが、それは戦略的に動いた結果ではなく、日頃の地道な活動が実を結んだ結果だという。

「佐々木も最首も人を集めて作ることに長けていて、同時に自分だけでは作れないことをよく分かっているんですよ。常にアンテナを張っていて、やりたいことを周囲の仲のいい人や社員にまず話す。するといろんなコミュニティに顔を出している社員が、それに合致する人と偶然知り合って紹介するという流れが多いですね」(鈴谷さん)

「私はIT業界でプロジェクトマネージャーをしていた時期が長かったので、やりたいことがあったときに、必要なコストとリソースを割り出して自然とプロジェクトにしちゃうんですね。それに対して、うちのスタッフはいったことを形にしてくれるし、思っていることにして返してくれるので完全に信頼していて、私が荒地を突き進んだ後を整えてくれるような関係ができていると思います(笑)。TECH PARKの構想も、今の形になるまでに右往左往しましたが、コンセプトを変えずに形にできたのは周りがあってこそだと思います」(佐々木さん)

オープン前の事前説明会や見学会には多くの大人と子どもが参加したという。グルーヴノーツの「やりたい」が詰まったTECH PARKは、教育とものづくりを掛け合わせた新しいスペースとして新たなスタートを切る。
(施設内の写真提供:グルーヴノーツ)

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