スフィロ社CEO Ian Bernstein(イアン・バーンスティン)インタビュー
Sphero(スフィロ)にかけた夢。ティンカリング、ロボット、そしてスター・ウォーズ~はるか銀河のはてで~
プログラミング教育が子どもを変える
——子どものときからあなたはMakerだったようですね。今のMakersムーブメントについてはどう思いますか?
イアン:すばらしいことだと思います。特に子どもへの影響は大きいと思います。今のMakersムーブメントはコンピュータが主導するもので、プログラミングが重要な要素の一つです。子どものうちにプログラミングに触れるのはとても良いことだと思います。論理的な思考を身につけることができますし、エンジニアになるための素養にもなります。
今や、すべてのデバイスにはコンピュータのチップが入っています。私たちの周りの世界にあるモノについて基本的な理解を持てれば、日々進歩するテクノロジーにもついていけます。誰もがモノがどう動いているかを理解し、壊れたら直せるスキルを持つ未来が来るかもしれません。そうなればエンジニアはいりませんね。
——トイ産業の未来についてはどう思いますか?
イアン:デバイスのソフトウエアのアップデートやオープン化がさらに進み、ユーザー自らがプログラムできたりする流れが加速化していくでしょう。製品周りはよりクリエイティブになります。スフィロのAPI(アプリケーション・インターフェイス・プログラミング)やSDK(ソフトウエア開発キット)はますます影響力を持つようになると思います。スマートフォンとの連携は始まったばかりですから、今後ユーザーは今までにない体験を得られるでしょう。製品をオープンにするということで簡単にハックされ、まったく違う物に使われる可能性もあります。それは良いことです。
私たちは製品を通して、これからもクリエイティブで安全なフィールドを子どもたちに提供していきたいと考えています。
情熱は集中して注ぐもの
——あなたは成功したスタートアップの人であり、エンターテインメント・メーカーの完璧な例だと思いますが、これから自分で会社を始めたいという人に何かアドバイスはありますか?
イアン:私たちがスフィロを始めたとき、スフィロにできることのリストを作りました。例えば、スフィロでホテルの部屋のドアを自動で開け閉めする、明かりを調整するとか、トイより実用的な使い方かもしれません。しかし、それはホテルやセキュリティ会社が考えることで、私はゲームロボットを作ることに情熱を燃やしています。
だからこそ、さまざまなアイデアから絞りこみ、全力でトイに集中できました。本気でがんばれば、自分が何かに情熱を傾けていることを社会に証明したいと思うようになるものです。
——ありがとうございました。