スフィロ社CEO Ian Bernstein(イアン・バーンスティン)インタビュー
Sphero(スフィロ)にかけた夢。ティンカリング、ロボット、そしてスター・ウォーズ~はるか銀河のはてで~
ディズニーとの接点
——スフィロから「BB-8」が生まれるまでの経緯を教えてください。
イアン:2011年に最初のスフィロを発売し、大きな成果を得ました。その後さらに改良を重ね、2013年にはスフィロ2.0を開発しました。スフィロをキャラクターとして扱うキャンペーンモードを加えました。スフィロがスフィロ星からやってくるメインストーリーに基づき、数々のミッションをこなすことで、自分でストーリーを操れるモードです。大きなアップデートになりました。
2014年になり、多くのキャラクター、よりよいストーリーがほしいと思うようになりました。数ヶ月後、Techstars社はロスでディズニーとパートナーシップを組むことになり、私たちも加わることになりました。短い時間ですが、ディズニーのCEO 、Bob Iger氏とミーティングしました。そのとき、スター・ウォーズ・エピソード7の写真をちらっと見せてくれました。後にBB-8 となるロボットの写真を前に「こんな感じのものをスフィロで作れますか?」といわれました。すぐにスター・ウォーズの楽曲をインプットするなどして、粗い試作品を作り、ビデオを撮ってディズニーに送りました。それを見たディズニーやルーカスフィルムの人たちはいたく気に入ってくれて、大きなプロジェクトが始まりました。
製品化に向けて最も難しかったのは、デコレーションです。どうやって細部を表現するか、色やパターンはどうか、検討を重ねました。私たちの目的は、ロボットの見た目そのままに、最も映画に忠実なBB-8を作ることでしたから、簡単ではありません。すべてを完璧に調整しなければなりませんでした。しかし、苦労の甲斐あって、2015年のリリース以来、売り上げは好調です。
新製品ではスマホを使わずにコントロール
——現在、フォースバンドがリリースされたところですが、どんな製品か教えてもらえますか?
イアン:以前からスマートフォンなしで直接ボールをコントロールする方法を模索していて、腕に巻くバンド方式が良いということになり、「Wave Band」という試作品を作りました。BB-8の出荷が始まり、次は何をすべきか考えていたときに、以前試作した「Wave band」に注目しました。
「これはフォースのようだ。フォースバンドでいいのではないか?」という意見が出て、みんな、非常に興奮しました。ジェスチャーでBB-8を操り、スター・ウォーズの世界を体験できる画期的なデバイスです。早速プロジェクトを立ち上げ、いくつかの試作品を作りました。そして今、リリースにこぎつけたのです。