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Kickstarterで話題のプロダクトの裏側

ウクライナ発:精巧なメカニズムで世界中に感動を呼ぶUGEARS

バイオリンに似た外観だが、付属するハンドルを回すと、バイオリンのような、バグパイプのような音が聞こえてくる。 「Hurdy-Gurdy(ハーディ・ガーディ)」は中世ヨーロッパの弦楽器。奏でられる美しいメロディーに合わせて、当時の人々は歌い、踊った。 この楽器をウクライナにあるホビー会社UGEARSがキット化。合板からレーザーカッターで木製部品を作り、顧客が自らの手で組み合わせ、完成させていく。Kickstarterに登場するや目標額をはるかに上回る約22万ドル(約2500万円)の支援を集めた。なぜ、このような製品が生まれたのか? UGEARSの担当者に聞いた。(写真提供:UGEARS)

音楽の歴史に刺激を受けて製品化を決意

中世の弦楽器Hurdy-Gurdyの手作り木製キット。

——Hurdy-Gurdyを作った動機は何でしょうか?

UGEARS:そもそもUGEARSはモデルキットの会社です。製品のテーマとしては技術の歴史を扱っており、今まで車や汽車、蒸気機関のメカなどを木製の合板でキット化してきました。

UGEARSチームには、多彩な趣味を持つメンバーがおり、中に珍しい伝統的な弦楽器が好きなエンジニアがいました。彼はさまざまな製品を企画する過程でこういった楽器をキット化したいとよく言っていました。Hurdy-Gurdyなどの弦楽器の演奏は、ウクライナやイギリス、ポーランド、フランス、アメリカなどではトレンディーな趣味です。こういった地域では音楽を聴き、ダンスし、大いに楽しむフォークイベントやお祭りがたくさんあります。そこでHurdy-Gurdyによって奏でられる音楽を「中世のロックンロール」と呼ぶ人もいます。担当者だけでなく、チームのメンバーのみんなが、とてもかっこいいと思いました。

また、15世紀に始まったHurdy-Gurdyの歴史からも刺激を受けました。歴史を振り返ると、初期はポータブルなオルガンのようなものだったのですが、その後、改良が進み、イギリスの旅芸人の間でよく知られた楽器となりました。
17~18世紀のルネサンス時代には貴族階級の間で高貴な娯楽として愛用されました。やがてこれらの楽器は、職人たちの手でさまざまな装飾的な細工が施され、その機構はギターやリュートの筐体などに組みこまれました。

こういった情報や歴史に触れるにつれHurdy-Gurdyに対する思いが強くなり、その独特の機構や音楽を保ちながらUGEARSバージョンのHurdy-Gurdyを作ろうと決心したのです。

ペグなどを調整すれば、いろいろな音を出すことができる。 ペグなどを調整すれば、いろいろな音を出すことができる。

独特の音楽を楽しみ、メカニズムから学ぶ

——Hurdy-Gurdyの主なお客さんはどんな人たちですか?

UGEARS:UGEARSのHurdy-Gurdyは自分で組み立てて演奏するものです。組み立てることで、メカニズムのコンセプトを理解し、その演奏法を学ぶことで独特のメロディーに触れることができます。7歳の子どもから80歳を過ぎたお年寄りまで、男女の区別なく人気があります。特に、これから科学、技術、工学、数学、音楽といったSTEM領域の教科を学ぼうとする子どもたちにとってさまざまな発見があるはずです。

また、この製品はあらゆる世代の人々が楽しめます。親子で、あるいは祖父母と孫で、一緒に作り楽しむ忘れられない時間を過ごせるでしょう。自分が作ったHurdy-Gurdyでクラシックから現代の曲まで演奏して、家族や友人といっしょに濃密な時間を過ごすにもぴったりでしょう。
我々は、このHurdy-Gurdyがひとときの間、人々をスマートフォンやタブレットから引き離し、心と体に創造する喜びをもたらすと信じています。

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