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ロビットインタビュー

量産未経験から国内で3万台出荷——めざましカーテン「mornin’」はどうチャレンジしてきたのか

ハードウェアスタートアップが製品の企画から販売にこぎつけるまで、立ちはだかる壁のひとつに量産が挙げられる。過去に量産を経験したメンバーがいれば難易度も下がるが、実際には何も経験がない状態で起業するスタートアップも少なくない。量産は、製造の中でも機械や機構の設計に精度が求められ、多額な資金も必要になってくる。決して失敗の許されないハードウェアスタートアップが抱える大きな課題だ。

スマートフォンと連動し、自動でカーテンを開閉するめざましカーテン「mornin’」の開発、製造を担うロビットは、量産未経験から量産の壁を乗り越えただけでなく、国内で3万台を出荷する。開発にまつわるエピソードから、どのように量産にチャレンジし実現できたのかまで、代表の高橋勇貴氏と機械・機構設計を担当する平野龍一氏にお話を伺った。(撮影:荻原楽太郎)

国内出荷で3万台を超えるmornin’

めざましカーテン「mornin’」は、既存のカーテンレールに取り付けて、スマートフォンの専用アプリから時間を設定するだけで、カーテンを自動開閉する。スマートフォンのアラームや目覚まし時計の起床にはない、自然光によるスッキリとした起床が期待できる。

2014年6月、中央大学電気電子情報通信工学科出身のメンバーで、機械・機構設計を担当する平野龍一氏と組み込みシステム担当の新井雅海氏、アプリ開発担当の河北薫氏の3人と、同じ科に通っていた後輩でもある代表の高橋勇貴氏の4人でロビットを創業する。平野氏と新井氏、河北氏は大手企業を辞めて参画し、大学を卒業した高橋氏と量産未経験のスタートだったが、構想からわずか1年後の2016年7月に製品化に成功、現在1台4985円(税込)という手頃な価格で販売している。瞬く間にテレビのニュース番組やウェブメディアで紹介されて大きな反響を呼んだ。発表から1年後には、国内出荷台数が3万台を超え、ハードウェアスタートアップとしての成功を手にし、勢いは収まることなく、2017年にグッドデザイン賞も受賞している。

開発当時のエピソードを語る高橋氏(右)と平野氏(左)。 開発当時のエピソードを語る高橋氏(右)と平野氏(左)。

——morning’を思いつくきっかけは何だったんでしょうか。

高橋:自分たちが夜遅くまで作業してしまい、朝に弱いのが悩みでした。日本の半分くらいの人は「朝の寝起きの体験を改善したい」と考えているという統計があり、自分たちと同じことに悩んでいる人たちがごまんといると思ったからですね。

——構想からどのくらいで開発を始めましたか。

平野:最初の原理試作は、既存の電動レールカーテンを改造して、スマホで操作できるようにするのに1~2日、機能を試してみるまでに1週間くらいだったと思います。ちゃんと効果があるのか自分たちで試してみてから開発方法を考えました。

——既存の電動カーテンレールと発想が違いますよね。

高橋:既存の電動カーテンレールは、価格面で導入のハードルが高いということもありますが、取り付けの難易度も高いのがネックです。mornin’は取り付けやすくすることにかなり時間を掛けています。カーテンレールは高い位置にあるので作業が難しいのと、取り付けるときにカーテンが製品と重なってしまって見えづらくなくなります。失敗すると、落下してしまう可能性もある。女性が片手でワンタッチに取り付けられるように、デザインと機構の工夫を意識しました。微妙な角度を変えて試しながら、どうすれば手に一番フィットするか何度も繰り返しながら検査しています。

原理試作から徐々に変化しているのがわかる。 原理試作から徐々に変化しているのがわかる。

——お手頃な価格ですが、先に金額を設定してから開発したのでしょうか。

平野:最初の段階から安くするにはどうしたらいいかと考えていました。そのために部品を共通化し、既製品を積極的に使うようにしていました。ユーザーにとにかく一度使ってもらいたい。自分たちの持っている庶民的な感覚を大切に、お客さんに近い立場で考えて、この価格だと高いとか、これなら買えるとか、できるだけ手頃な価格に近づけました。

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