センサ内蔵でスマホとリアルタイム通信するハイテクランニングシューズがドイツで開発中
2013/12/13 17:40
欧州最大の研究機関であるドイツのフラウンホーファー研究機構で、増加傾向にあるランニング中のけがや関節の病気を防ぐ目的で、各種センサを内蔵した特別なランニングシューズを開発する「EU Project RUNSAFER」というプロジェクトが進められている。
ランニングは、ストレスを軽減し、余分な脂肪を落とし、持久力を向上させるための理想的な方法であり、免疫系を安定させ、心血管疾患を防ぎ、筋肉を作る効果がある。しかし、過負荷によってランニング中のけがや関節の病気が増えているという。
トレーニング中のこのような問題を防ぐため、欧州最大の研究機関であるフラウンホーファー研究機構の研究者たちが、各種センサを内蔵した特別なランニングシューズを開発する「EU Project RUNSAFER」というプロジェクトを進めている。
RUNSAFERシューズの靴底に統合されたセンサやマイクロコントローラが、生体力学的データを測定し、リアルタイムでランナーの姿勢を評価する。例えば、間違った足の位置や、非対称の荷重を知らせ、疲労や過負荷を警告する。
測定システムは、簡単に靴の底に取り付けたり外したりすることができ、シューズを充電器に置くことで充電できる。生体力学的信号だけでなく、ランナーのスピードや位置を計測するGPSセンサも備えており、それらのデータはBluetoothを介してスマートフォンに送信される。RUNSAFERスマートフォンアプリはデータを評価し、トレーニングのパフォーマンスや、ランニングフォーム、トレーニングの手順についてランナーにフィードバックや提案を行う。速度や走行面を変えることや、ときにはやめることを勧めることもあるという。
さらに、測定値はランニング中にスマートフォンからWebサイトに転送され、さらなる処理、評価をして、常に更新される個人的なパフォーマンス目標とともに、カスタマイズされたトレーニングプログラムが設定される仕組みだ。
RUNSAFERランニングシューズおよびアプリのプロトタイプはすでにできており、現在は装置とセンサをより小さくするための開発が行われている。2015年の初頭までに、RUNSAFER-Projectのパートナーで、スペインの運動靴とスポーツウェアの製造業者(スポーツブランド「KELME」の所有者)から販売の見込みだ。