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コーヒーを“飲みごろ温度で”長時間保温するマグ、Kickstarterで10万ドル集める

コーヒーや紅茶を“熱すぎない飲み頃の温度で”長時間保温するマグカップが、量産に向けてKickstarterで資金調達を開始し、目標金額の4倍以上の10万ドル超(約1050万円)を集める人気となっている。開発者は、コーヒーが熱すぎて口をやけどしたり冷めてまずくなったりした経験から開発を思い立ち、15年の歳月をかけているという。

このプロジェクトは、コーヒーが熱すぎて口をやけどしたり、冷めてまずくなったりした開発者の不満から生まれた。ちょうど飲みごろ温度にするにはどうするか。熱すぎるコーヒーから余分な熱を取り除き、それをマグに保持しておいて、コーヒーがちょうどいい温度になったときにそれをキープするために使えばいいのではないか。普通のマグカップに積極的な(“Temperfect”:温度を完璧にする)断熱材の層を加えればそれができる、と開発者は考えたという。

開発者は何カ月もかけて、マグを構成するのに適した材料を計算し、モデル化し、研究し、さらに15年間にわたってプロトタイプを作り、テストし、改善してきた。ステンレス鋼から真空断熱の飲み物入れを作るのにかかわるすべてのプロセスを学んだ。通常の陶磁器のマグは、長時間快適な温度にしておくことができず、真空断熱マグはいつまでも熱いままにしてしまうが、数年前に開発者が完成させたマグは、すぐに飲み物を快適な温度にし、長時間それを保持する。

陶磁器マグと真空断熱マグの、飲み物の温度変化。黄色で示されているのが飲みごろの“Ahhh..”ゾーン 陶磁器マグと真空断熱マグの、飲み物の温度変化。黄色で示されているのが飲みごろの“Ahhh..”ゾーン
Temperfect Mugプロトタイプでの飲み物の温度の推移。 Temperfect Mugプロトタイプでの飲み物の温度の推移。

Temperfect Mugは容量は16オンス(約473ml)で、車のカップホルダーに収まる持ち運び用タンブラー。蓋/カバーの上に飲み物がこぼれないようにするためのシャッターがあり、片手で操作できる。カバーの縁は、陶磁器マグのように、唇の感触が良いようにデザインされている。シリコンスリーブがあるので滑りにくく持ちやすい。内側はステンレス鋼でできており、手洗いしやすく、匂いが残らないようになっている。タンブラー本体は、断熱材を使用しているため食洗機に入れられないが、カバーは簡単に分解でき、食洗機で洗うことができる。

シリコンスリーブのカラーはオレンジ、ピンク、コバルトブルー。Kickstarterの支援者向けに、光の具合によって色が変化する二酸化チタンコーティングや、黒色のコーティングに金属細工のアーティストが彫刻するバージョンもある。

すでに量産のための工場の選定なども済んでいる。当初の目標額である2万3500ドルを超えたため、工場での生産時間や出荷時間、最終工程の時間を考えると、後援者がマグを手に入れられるのは2014年7月頃になりそうだとのこと。

Temperfect Mugは1つ40ドル(約4100円)で、日本に送ってもらうには送料36ドル(約3700円)が必要。 

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