国内介護ロボット市場、2012年度は1億7000万円だが2020年度には349億8000万円に拡大へ——矢野経済研究所予測
2014/01/08 18:00
矢野経済研究所の調査によると、国内介護ロボット市場は2012年度1億7000万円と小さいが、2015年度から急拡大し2020年度には349億8000万円に拡大すると予測している。拡大の理由として介護保険制度の見直しが予定されていることや、国主導の方策への期待などを挙げている。介護ロボットの介護保険適用製品が増加すれば市場拡大の追い風となるという。
国内介護ロボット市場規模は、2011年度(2010年4月~2011年3月、以下同様)が1億2400万円、2012年度は前年度比37.1%増の1億7000万円(いずれもメーカ出荷金額ベース)となった。2012年度は数量が拡大し、金額ベースも高い伸びとなったが、絶対額はまだ大きくはなく、介護ロボットは介護現場にほとんど普及していない。
2013年度には、経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」の採択事業者が決定しており、2015年度までに最終製品化を目指している。安価で使いやすい介護ロボットとして、開発するだけでなく普及させるための支援にも重点が置かれている。
また、2015年度には介護保険制度の見直しも予定されており、介護ロボットの介護保険適用製品増加や、普及のための支援などが始まれば市場拡大への追い風となるという。これらによって2015年度から市場は本格化し、2020年度の市場規模は349億8,000万円(メーカ出荷金額ベース)に拡大すると同研究所では予測している。
この調査は2013年10月~12月に、介護ロボットメーカ及び販売会社、研究機関等を対象に行なわれた。
なお、同調査における「介護ロボット」とは、非産業用のロボット(サービスロボット)の中で、高齢者の介護目的(排泄支援、食事支援、移乗支援、歩行支援、見守り支援など)に使用されるものを指す。