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食べ物を飲み込みにくい人のための食品3DプリンタをEUが開発中

欧州でも高齢化は進み、さまざまな課題が発生しつつあるが、食べ物を飲み下すことが難しい高齢者の食事を改善するため、欧州連合(EU)は3Dプリンタを用いる新しいプロジェクトを進めている。

Horizon Magazineは欧州委員会が運営するWebサイトで、主にEUの政策に関する科学技術の研究開発について広報している。同サイトに掲載された記事によると、EUにおいて50歳以上の5人に1人が嚥下障害の条件に当てはまり、誤嚥(気管などに食物が入り込むこと)を起こす危険をはらんでいる。誤嚥により肺炎を発症することもあるため、とても重要な問題だ。

EUが資金提供をしているドイツのBiozoon Food Innovationsが運営する特別養護老人ホームでは、多くの場合、嚥下障害のある人のために栄養成分を添加したおかゆのようなものを提供しているが、現時点ではこれらの食品はシェフの手作りのため非常に時間がかかり、提供できる数も限られている。この問題を解決するため、プリント技術と3Dフードプリンタの開発を2012年から進めており、2015年に完了する予定という。 

この3Dフードプリンタでは、カートリッジに液状にした食品を使い、従来のインクジェットプリンタと同じように“プリント”する。現在開発中のゲル化剤を、液化した食品と一緒にプリントすることで、最終的にチキンフィレなどをゼリー状にして再現するなど、さまざまなタイプの食品が提供できるようになるとしている。プリントされた食品は非常に柔らかく、かむと口の中で溶け、飲み下すのが容易になるという。

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