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慶應SFC、「Fabspace」開設記念トーク&展示イベントを実施

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は学生、研究者向けに3Dプリンタやカッティングマシン、3Dスキャナなどデジタルファブリケーションツールが利用できる「Fabspace」を湘南藤沢メディアセンター内に開設、メディア向けにスペースを公開した。

SFCでは昨年4月に3D Systems社の個人向け3Dプリンタ「Cube」を4台導入。当初の想定よりも多くの学生が利用し、今後の需要も見込まれた事から2台の3Dプリンタに加え、3Dスキャナやカッティングマシン、デジタルミシンなど、さまざまなデジタルファブリケーションツールの追加導入を決めたという。

今年新たに2台導入したMakerbotのReplcator 5th Generation 今年新たに2台導入したMakerbotのReplcator 5th Generation

またオープンを記念して開かれたイベントでは、キャンパスにMozilla Japanが進めている移動式デジタルファブリケーションスペース「MozBus(モズバス)」が展示され、パネルディスカッションでは、慶應義塾大学環境情報学部から村井純氏、田中浩也氏、筧 康明氏と同大の非常勤講師でMozilla Japan代表理事の瀧田佐登子が登壇した。

「Fab is for everyone インターネット前提社会のデジタルファブリケーション」と題し、「MozBus」や、Mozilla Japanの赤塚大典氏と田中氏、筧氏が立ち上げたソフトウェア開発用のオープンコミュニティ「Github」のハードウェア版を目指したウェブサービス「Gitfab(ギットファブ)」での事例を挙げながら、インターネット社会におけるものづくりの在り方について議論が行われた。

村井氏はメディア向けのカンファレンスの中で3Dプリンタなどの工作機器を使って銃を製造した人物が銃刀法違反で逮捕された件に触れた。現行法の中で銃を製造、所持を規制する方法は既にあるという前提のもと、デジタル工作機器を一般社会に普及させるにあたって、知的財産や品質管理、PL法(製造物責任法)などをインターネット社会にあわせて改めていく必要があり、その一つの解決案として自動車の保安基準を審査する自動車検査登録制度を例に挙げて、社会の中で分散して安全性や製造物に対する責任を付与する制度を設けることで「安心・安全を社会の中で作り出すシステムを創造する事は将来実現可能だ」という認識を示した。 

右側から筧氏、村井氏、瀧田氏、田中氏 右側から筧氏、村井氏、瀧田氏、田中氏
キャンピングカーを改造したMozBus。LTEやWiMAXだけでなく衛星回線を使ってもインターネットに接続でき、遠隔地で作成したデータをネット経由で3Dプリンタなどに出力することが可能だ キャンピングカーを改造したMozBus。LTEやWiMAXだけでなく衛星回線を使ってもインターネットに接続でき、遠隔地で作成したデータをネット経由で3Dプリンタなどに出力することが可能だ

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