デジカメ画像から高精度3Dモデルを自動的に生成——凸版印刷と東北大
2014/06/25 17:00
凸版印刷と東北大学大学院情報科学研究科青木孝文研究室は共同で、市販品のデジタルカメラで撮影した画像を使って、対象の高精度な3Dモデルを自動生成する画像処理技術を開発した。ハンディ3Dスキャナで作成したものと同等の精度という。
この技術は青木研究室が開発した「位相限定相関法」と呼ばれる、複数の画像間で、1画素以下の精度で対応する点を推定できる画像照合技術をベースに開発された「多視点ステレオ技術」。対象物を複数の視点から撮影した画像を使って3Dモデルを生成する。両者でより多くの画像間で対応する点を推定する技術や、対象物の形状に合わせて対応する点を推定する技術などを新たに開発した。
凸版印刷はこれまで、文化財などの3Dモデル化に携わってきたが、レーザーレンジスキャナなどの専用装置は計測精度が高い反面、装置が大型で重く、狭い空間で安全な計測が困難だったという。これに対して今回の多視点ステレオ技術では、デジタルカメラで撮影した画像のみで3Dモデルが生成でき、計測が簡易に行えるようになる。
凸版印刷では、多視点ステレオ技術の有効性を検証するため、瑞巌寺(宮城県宮城郡)本堂の欄干を1200万画素の市販デジタルカメラで撮影し、3Dモデルを生成した。その結果、専用機器なしでハンディタイプの3Dスキャナと同程度の高い精度を持つ3Dモデルが得られたとしている。撮影画像枚数は80枚、総処理時間は約6時間。
凸版印刷では今後、文化財のデジタルアーカイブ向け3D計測システムとして活用するほか、東北大学と共同でさらなる精度向上や形状モデル化可能な対象を拡大し、産業向けの計測システムとしても展開する予定だ。