この「Raspberry Pi コンピュートモジュール（以下、コンピュートモジュール）」と拡張ボード「コンピュートモジュール IO Development Board（以下、IOボード）」は、Raspberry Piが少・中規模生産の産業機器や業務用機器システムに組み込まれて使われていることを知ったRaspberry Pi財団が、そうした組み込み製品のために開発したもの。

コンピュートモジュールは、Raspberry Piに使われているBroadcomのBCM2835プロセッサと4GBフラッシュメモリを、ノートPC用メモリ（DDR2SODIMM）と同じ形状（67.6×30mm）のボードに搭載した。「I/Oボードは最終製品の開発者に任せ、Raspberry Piのコアリソースだけを小型のパッケージとして提供できないか」という発想で作られている。プロセッサの全ての信号を外部から制御できるため、柔軟にシステム開発ができる。

IOボードは、コンピュートモジュール専用の拡張ボードで、ハード側の開発を容易にするためのもの。従来のRaspberry Pi同様に、外部モジュールと接続可能なピンヘッダ、フレキシブルコネクタ、HDMI端子を持ち、コンピュートモジュール上のフラッシュメモリ書換えやOSブートが可能なUSB端子を装備している。このボードのオープンソースとして設計情報は公開されており、誰でも製品開発に利用できる。

開発キットは試作用プラットフォームとしての利用を想定している。コアシステムとコネクタ類を2つのボードに分けることで、効率良く Raspberry Pi搭載製品の開発が行えるようになっているという。

アールエスコンポーネンツでは、2014年秋にRaspberry Pi コンピュートモジュール単体での発売も予定している。