高さ4m世界最大級3Dプリンタが東京藝大に出展
2014/07/23 17:00
東京藝術大学大学美術館陳列館で7月19日から8月8日まで開催される「マテリアルライジング展Ⅱ 情報と物質とそのあいだ」に高さ4mのデルタ型3Dプリンタが出展されている。 この3Dプリンタは熱溶融積層法(FDM/FFF)としては世界最大級で、1時間ごとの気象データをつぼ状の物体に変換して出力する展示を行っている。
この企画はレーザーカッターや3Dプリンタといったデジタルファブリケーション技術を使った新しい表現の可能性を試みるもので、東京藝大以外からの出展も含め16組の作品が展示されている。
今回の3Dプリンタの展示はソフト部分をtakram design engineeringのデザイン・エンジニアの櫻井稔氏、3Dプリンタなどのハード部分をRepRap Community Japan代表兼合同会社Genkeiの加藤大直氏が主に担当した。
3DプリンタはRepRap Communityで公開されているデルタ型3Dプリンタをベースに開発したもので、最大2×1×1mの造形物が出力可能でプリンタ自体の高さは約4mある。気象庁が公開している気象データをもとに、任意の1日の情報を抽出して造形データを自動生成する。気温は直径、湿度は厚み、気圧は高さに変換、風速と風向きで形状をゆがませて造形データを生成し、高さ1mから2mのつぼをプリントする。
造形データは巨大3Dプリンタの隣に設置されたGenkei製のデルタ型3Dプリンタ「Trino」でも出力可能で、来場者が自分の生年月日など任意の数字を入力すると気象データと連動した造形データが生成され、Trinoから出力される。
今回の展示について櫻井氏は「デザインとエンジニアリングが格子の目のように折り重なるようにして、密接に関わっていく今回の展示は、ものづくりの未来にも繋がるし、今回のプロジェクトに参加した東京藝大の学生も3Dプリンタの設計開発から組み立てまで担当した加藤さんの背中を見て、学ぶことは多かった」と話している。