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オランダのアーティスト、デルタ型3Dプリンタで大型陶器をプリント

大型の陶器を、3Dプリンタを使って作製するために、自ら押出機まで作ったというオランダのアーティストが注目されている。

彼が最初に3Dプリンタを用いて陶器作品を作り始めたとき、とても刺激的で興味深いものであると感じたが、製造は難しかった。というのも、デスクトップ3Dプリンタで作られたオブジェクトは使用できる材料の問題から耐熱性が低く、食器に使うには安全の問題があった。また最大造形サイズも小さすぎ、ボウルやプレート、装飾品などはプリントできなかった。かといって、工業用の3Dプリンタを使おうとすると、コストがかかりすぎてしまう。彼はこれらの問題を2年かけて解決したという。

まず実験の一つとして、彼は自ら押出機を作製し、色々な種類の粘土を試してみることにした。これを繰り返していくうちに、水と粘土を混合した材料を用いるのをやめ、押出機を再設計して硬質粘土を用いることにした。これにより細部にまで高い造形レベルを保ったまま大きなオブジェクトを作りだすことができるようになったという。

また、最初の頃は3Dプリンタで作った花瓶などは、粘土を積み重ねた層がはっきりと見え、仕上がりが粗いと感じたという。この課題に対しても繰り返し実験を行い、今では直径が最大42cm、高さ80cmになる大きな作品が作れるようになった。これは3Dプリンタの設定を変更したことによるもので、表面の粗さもとれ、かなり外観は改善されたという。

「今の状態を完璧なデザインであるとして固定することなく、より技術を高めるべきであり、プリンタや押出機もまだ改善の余地がある」と彼は述べている。

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