シリコーン樹脂のパーツをプリントできる3Dプリンタ「Picsima」
2014/10/30 17:00
英フリップデザインは、シリコーン樹脂の重合を制御する技術を開発することによって、非常に柔らかく伸縮性のあるパーツをプリントできる3Dプリンタ「Picsima Silicone 3D Printer」を開発した。
Picsimaは、これまで市場にある3Dプリンタのように、柔らかいポリマー(ゴム状素材)をプリントする製品ではない。ショアA硬度10という非常に柔らかいパーツを支持材なしでプリントすることができる。ショアA硬度10といえば輪ゴムより柔らかい。造型サイズは100×100×30mmで解像度は400μm。厚さ400μmのシートを作ることもできるという。既存の3Dプリンタ用ゴム状素材よりも柔らかいだけでなく、伸縮性が高く、かなり引き延ばしてもちぎれず、また元の形に戻る。
また造型材料には、FDA(米食品医薬品局)から医療や食器などに用いる認可を得た既成のシリコーン樹脂を使用しており、これらは安全性と共に安価であるという利点がある。
「この技術は、当初はフルカラーで医療用のシリコーン樹脂パーツを作るために開発が進められた。残念な事にその用途には使われなかったが、我が社は工業デザインの新たな可能性をこのプロジェクトに見出した」とフリップデザインは開発の動機について説明している。
同社は既にPicsimaの特許を出願中だが、資金不足という問題を抱えており、これを解決するために、3Dプリントサービスのビジネスを立ち上げ、クライアントを募っている。