NEDO、バイオ3DプリンタでiPS細胞から骨や臓器を作る技術を開発へ
2014/11/14 11:00
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、バイオ3Dプリンタや細胞シート積層技術を使って、iPS細胞などを材料にした骨や血管、心臓などを製造する技術開発プロジェクトをスタートする。
従来、再生医療技術開発においては、iPS細胞などの培養や分化誘導など、再生医療に必要な細胞を効率よく作るかということに注力されてきた。今回スタートするプロジェクトでは、こうした細胞を材料に、機能的な立体生体組織/臓器を作るための新しい技術開発段階にステップアップさせる。
プロジェクトで採択されたテーマは以下の5つ。それぞれ複数の大学や企業、研究機関などに委託される。
- 高機能足場素材とバイオ3Dプリンタを用いた再生組織・臓器の製造技術の開発
バイオ3Dプリンタを使って細胞が住み着くための足場を構築し、骨や軟骨、半月板、膝関節、皮膚を作成する。 - バイオ3Dプリンタで造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床開発
バイオ3Dプリンタを使った細胞塊の積層技術によって、血栓のできにくい小口径の血管を開発する。 - 革新的な三次元精密細胞配置法による立体造形と小口径血管を有するバイオハートの研究開発
特定の複数のタンパク質で細胞表面を覆う高分子技術とヒトiPS細胞由来の心筋細胞などを精密に3Dプリントし、機能的な立体心筋を開発する。 - 組織工学を用いたヒト心臓壁立体造形技術の開発
ヒトiPS由来細胞シートに生体吸収性物質などを挟み込んで、酸素や栄養分を供給する仕組みを作り、細胞の生存と機能を維持した立体心筋を作成する。 - 細胞シート工学を基盤とした革新的立体臓器製造技術の開発
生体由来の血管網の上にiPS細胞由来の心筋シートを段階的に積層する構造を作成し、細胞密度の高い立体心筋や管状の心臓を開発する。