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田中貴金属工業、3Dプリンタ向け白金基金属ガラス粉末を開発

田中貴金属工業は、SLS(選択的レーザー焼結)方式3Dプリンタの造型材料として、白金基金属ガラス粉末、白金粉末、イリジウム添加ニッケル基合金粉末を開発し、造型に成功したと発表した。

田中貴金属は白金基金属ガラスの組成で特許を取得しており、今回独自の加工設備を使って粒径や流動性を調整することで、SLS方式3Dプリンタで使用可能な白金基金属ガラスの粉体化に世界で初めて成功したとしている。

同社は大阪府立産業技術総合研究所との共同研究により、粉末の材質と形状に適したレーザー照射条件を解明し、白金基金属ガラス、白金、イリジウム添加ニッケル基合金を使った造形物の作成に成功した。このうち白金基金属ガラスの3Dプリンタによる造型は世界初という。

白金族金属は、融点が高く耐久性があるが、特に合金では切削加工や塑性加工による加工性が低く、従来の造形法では形状に限界があった。また、金属ガラスは結晶を持たない非晶質金属の一種で、高強度、高硬度、低弾性率、超高耐食性、高透磁率、高成形加工性、表面平滑性、耐摩耗性、耐傷性、精密鋳造性、低振動減衰性などの特性を持つが、現在の製造法は鋳造法が主流となっている。今後、3Dプリンタを使って造型することで、複雑形状の造型、溶融温度が異なる異種材料を複合した製品の造型が可能になる。例えば、耐食性が必要な医療材料の多品種少量生産、耐熱性が必要な自動車、航空宇宙産業分野における特殊部品の工業用製品展開などが考えられる。

開発した粉末材料は、12月1日にサンプル提供を開始する予定。 

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