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米大学、3Dプリンタで燃料電池をプリントするための“インク”を開発

米ノースウェスタン大学の研究者らが、3Dプリンタで燃料電池を製造するための造型材料を開発した。この研究は12月4日に、材料研究学会の2014 MRS Fall Meeting & Exhibitで発表された。

環境に優しい高効率な発電システムとして燃料電池が注目されているが、燃料電池の中で最も発電効率が高いのが、セラミックスを使った固体酸化物燃料電池(SOFC)だ。今回考案されたのは、このようなセラミックス製の燃料電池セルの各構成部分(アノード、カソード、電解質、インターコネクト)を3Dプリントするための“インク”だ。

このインクの組成は、全体の70~90%をセラミック粒子が占める。セラミックスの種類はどの部分を造型するかにより異なる。例えば、電解質用のフィラメントにはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が使われるが、アノード用としてはYSZに酸化ニッケルを加えたものになる。インクにはこれらセラミックス粒子に加えて、結合剤と、蒸発速度の異なる複数の溶媒の混合物も含まれる。プリントは室温で行うが、その後は陶磁器のように1250度で焼く必要がある。

燃料電池に3Dプリント技術を利用することで、製造工程が簡易化されるだけでなく、さまざまな形状のものを作ることができるようになるため、今後の用途拡大が期待されている。 

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