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大阪大とヴイストン、テーブルに載る対話ロボット「CommU」と「Sota」を開発

大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授と吉川雄一郎准教授はロボット開発を手がけるヴイストンと共同で、人間が対話している感覚が得られる社会的対話ロボット「CommU(コミュー:CommunicationUnity)」と「Sota(ソータ:Social Talker)」を開発したと発表した。

1月20日に日本科学未来館(東京都江東区青海)で行われた記者発表会では、アンドロイドとロボットによる世界初の報道発表として、科学未来館に展示されている成人女性の姿をした遠隔操作型アンドロイド「オトナロイド」とCommU、Sotaとの会話が披露された。

ロボット同士が会話しながら、時折ロボット以外の話者にも話しかけたり、質問し、同意を求めたりすることで、話者(人間)もロボット同士の対話に参加している感覚が得られるという。対話の仕組みは音声認識ではなく、話者が話しおわったことを認識して、あいまいな相づちやリアクションをすることで対話が継続するようになっている。

Commu(左・中央)とSota(右) Commu(左・中央)とSota(右)

CommUとSotaは大阪大学の石黒浩教授による研究プロジェクト「石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト」から生まれたもので、日本の家庭環境に合わせたテーブルに置いて使用するタイプのロボット。

CommUはRaspberry Pi Model B+を搭載し、サイズは180×131×304mm、重さは938g。カメラ、モノラルマイク、スピーカ、LEDを登載しており、Wi-Fi経由で動きの作成やプログラミングができる。眼球や頭部、動体などに14点の可動域があり、人間に似た微妙な振る舞いや感情を表現できるという。LinuxOSによる画像、音声認識や音声合成アプリの開発も可能で、研究者向けのプラットフォームだ。

SotaはCommUの普及型という位置づけで、Raspberry Pi搭載版とインテルEdison搭載版の2種類がある。可動域はCommUよりも少ない8点となっており、いろいろな機能を簡単に実装できるロボットとして開発された。CommU同様にWi-Fi経由で動きの作成やプログラミングが可能。デザインは、ロボットクリエイターの高橋智隆氏が手掛けた。

介護業界での実証実験も予定されており、今後はソフトウェアやコンテンツ開発環境の整備を進めながら、今年の7月にヴイストンが事業者向けに販売する予定だ。
Sotaは年間3000体を目標に量産し、価格は10万円以下になる見込み。CommUは量産の予定はなく、価格はSotaの5倍程度になるという。 

CommUとSotaの開発は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)の研究課題の一つである、「石黒強制ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト」(特定の状況と目的において自律的に対話できる機能、複数の情報伝達手段を用いて社会的状況で複数の人間と対話できる機能など、実社会において人間と神話的に関わり、人間と共生するための自律型ロボットの実現を目指すプロジェクト)によって得られた成果を踏まえて行われた。

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