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宇宙船内で野菜を有機栽培するための容器、米学生らが3Dプリンタで開発

米カリフォルニア工科大学の学生らが、3Dプリンタを利用して、宇宙船内で野菜を有機栽培するためのモジュール式容器「AstroGro」を開発した。

国際宇宙ステーションでの活用例やロケット部品の製造など、宇宙関連分野における3Dプリンタの目覚ましい活躍が注目を集めている。少量多品種生産を得意としており、人工衛星や宇宙船内で使用する部品や工具を製造するのに適しているため、これから宇宙分野にとって必須の技術と考えられている。

そんな中、カリフォルニア工科大学の学生らが、3Dプリント技術の宇宙分野への新たな応用として、宇宙船内で野菜を有機栽培するためのモジュール式容器AstroGroを開発した。3Dプリンタで出力するので、状況に応じて容器のカスタマイズが可能で、スマートフォン/タブレットアプリを使って多数のAstroGroの光や水やりなども一括管理できるという。新鮮でさまざまな種類の野菜が食べられるようになるため、単調になりがちな宇宙での食生活に彩りが加わるというメリットもある。

一方、AstroGroは宇宙船内における環境循環システムの役割も果たすという。有機栽培とは一般に、家畜糞などの有機質を醗酵させて肥料にする栽培法だが、AstroGroにおいては宇宙船に搭乗中の人間の排泄物を利用する。AstroGroで育った野菜は宇宙船内の空気を浄化する。使用済みのAstroGroは熱を加えて新しいフィラメントに再生し、新たな容器を出力して繰り返し使うことができるという。

AstroGroは、NASA主催のもと世界で同時に開催されるハッカソン「International Space Apps Challenge」(略称:ISAC)の一部門である「Print Your Own Space Food」チャレンジへ提案された作品の一つだ。AstroGroサイトからデザインファイルをダウンロードできる。 

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