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デジタル産業を担う人材育成を目的に、英BBCがワンボードマイコンを児童へ無償配布

英BBCはイギリスのYear7(11~12歳)全員を対象に、ワンボードマイコン「micro:bit」を延べ100万台無償配布する計画だ。コーディングとデジタル文化創造のためのプログラム「Make it Digital」の一環として、将来イギリスのデジタル産業を担う人材の育成を目的としている。

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micro:bitは、コーディングやプログラムの知識のない子どもでも扱えるよう、ARMのmbedを使い、25個のLED、2個の入力ボタン、外部インターフェースとしてUSBとBluetoothを備えるシンプルな構成になっている。モーションセンサやマグネトメータ(コンパス)を備えており、乾電池で作動する簡単なウェアラブルデバイスにもなる。

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BBCによると、イギリスでは今後5年のうちにおよそ140万人のデジタル技術者が不足するという深刻な事態が起きると予測されている。こうした状況を克服するため、Make it Digitalプログラムを通してイギリスの将来を担う若い世代にプログラミングやデジタル技術を駆使するためのスキルを学ばせ、これまでにない規模で同国のデジタル産業の育成と活性化を図るとしている。

BBCは1980年代、「BBC Computer Literacy Project」として教育用パソコン「BBC Micro」を開発。当時の先端技術だったパソコンを家庭や教育の現場に持ち込むことに成功した。Raspberry Piを開発したエベン・アプトン氏も子どものころにBBC Microでプログラミングを学んだと言われている。ARMなどに代表されるイギリスのデジタル産業を支える人材育成の面で、BBC Microの果たした役割は大きいという。

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micro:bitをこのBBC Microの後継と位置付け、日本の小学6年に相当するYear7全員に無償配布し、さらにBBCが提供する「Doctor Who」や「EastEnders」といった人気番組の中にmicro:bitを活用したコンテンツを組み込むことで教育効果を高める考えだ。

同時にデジタル技術の教育者として5000人程度の未雇用の若者の就労機会も増やすとしている。

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