目標額の8倍以上を調達——299ドルでも金属パーツ採用のFFF方式3Dプリンタ「Trinus」
2016/04/08 16:00
産業グレードの金属パーツで作られたFFF(熱溶融積層)方式3Dプリンタ「Trinus」のプロジェクトがKickstarterで注目を浴びている。同プロジェクトに集まった出資金の総額は、4月8日時点で目標額の約8倍だ。
開発元のKodamaは、低価格ながらプロ仕様の3Dプリンタを提供するためにTrinusを開発。同社によると、500ドル(約5万5000円)以下の3Dプリンタの多くは、プラスチック製のパーツで構成されているため、軽すぎて速く造形できないなどの問題があるという。
一方、Trinusはフレームや内部の部品がアルミニウムやスチールで作られている。そのため、販売価格が299ドル(約3万3000円)でありながら、1000ドル(約11万円)相当の3Dプリンタと同等の性能を発揮するという。例えば、1秒当たり最大70mmでの造形が可能だ。
他の仕様は重量が9.8kg、最大造形サイズが120×125×125mm、最小積層ピッチが50μm。使用可能なフィラメントは、PLA、ABS、Flex、ポリカーボネート(PC)、ウッド(Wood)だ。開発元は、ABS利用時にはエンクロージャー、ABSやPC利用時にはヒーテッドベッドプラットフォームが必須だとして、オプションで提供できるように用意している。
なお開発元は、レーザー彫刻機としても利用できるようにTrinusを設計した。同製品は、プリントヘッドをレーザーヘッドに交換すれば、木材、皮革、食品、コルクなどへのレーザー彫刻ができるようになる。レーザーヘッドの主な仕様は、サイズが33×33×55mm、レーザー出力が500mW、電圧が12V、電流が210mA、ライフサイクルが1万時間、最大造形サイズが120×125mmだ。
Trinusは2016年5月1日までクラウドファンディングを実施。4月8日時点では、目標額の5万ドル(約550万円)を大幅に上回る約40万ドル(約4400万円)を集めている。
販売価格はTrinus本体が299ドル(約3万3000円)、レーザーヘッドが80ドル(約8800円)、エンクロージャーが80ドル(約8800円)、ヒーテッドベッドプラットフォームが40ドル(約4400円)。出荷は2016年8月の予定で、日本への送料は80ドル(約8800円)だ。