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WHILLやAgICを過去に採択の「Innovative Technologies 2016」募集開始——他薦も可能に

経済産業省は、優れたコンテンツ技術を発掘・評価する「Innovative Technologies 2016」の募集を開始した。これまでに、電子回路を印刷できるAgICの回路プリンタ、国産電動車いすの「WHILL」、ノーニューフォークスタジオの光る靴「Orphe」、ソニーのVRヘッドセット「Project Morpheus」、メガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」などが「Innovative Technologies」として採択されている。

一般的に「コンテンツ」という言葉からは、映画、放送、アニメ、ゲーム、音楽などが連想されるが、経済産業省によるとコンテンツとは本来、「人間に感動をもたらし、生活に豊かさを与える機能を持ち、そのライフスタイルこそがソフトパワーとして国際競争力を持つ」ものだとも捉えられるという。そこで同省はコンテンツを「人間の感性に作用して、安心、快適、楽しく、充実した生活や経験と豊かな社会を実現するもの」と定義。そしてコンテンツを誰でも簡単に「表現し、伝え、受容する」ことを支えるのがコンテンツ技術の役割だという考えを示している。

Innovative Technologies 2016を実施する背景には、そんなコンテンツ技術の中で、同省が示す技術開発の方向性に基づき、大きな貢献が期待できる技術を発掘して評価しようという狙いがある。応募された技術の審査に当たっては、類似する事例がなく斬新なアイディアによって新たな技術やサービスの可能性を切り拓く「先進性・革新性」、新たな産業化や市場創出の可能性を持つ「産業化・市場創出の可能性」、他の技術に広く応用される可能性がある「技術的汎用性」、独創性や斬新さのある「表現としての新規性」といった点から評価する。

応募された技術の中から20件程度が採択され、さらにその中から、産業分野への貢献が期待できる技術に「Industry」、文化・芸術分野への貢献が期待できる技術に「Culture」、ライフサイエンス分野への貢献が期待できる技術に「Human」、上記3部門に選ばれなかったが特に優れた技術に「選考委員特別賞」という特別賞がそれぞれ与えられる。さらに今回は、国際会議「SIGGRAPH」のCommitteeにより選考される「ACM SIGGRAPH Special Prize」も用意されている。選ばれた技術は、SIGGRAPHの「Emerging Technologies」に出展する権利を手に入れることができる。

応募はデジタルコンテンツEXPOの公式サイト内に設けられた応募フォームから。今回から自薦に加えて他薦も受け付ける。応募締め切りは2016年7月8日午前12時だ。

応募締め切り後、コンテンツ技術に詳しい有識者がつくる審査委員会が審査し、20件程度を「Innovative Technologies」として採択。採択された技術は、デジタルコンテンツEXPO2016の公式Webサイトなどで公表される。10月27~30日に開かれる同EXPOでは、採択されたコンテンツ技術が展示されるほか、7分程度のショートプレゼンテーションが実施される。さらに同EXPOの初日となる10月27日に、展示場所で特別賞選考委員へのプレゼンテーションが予定され、その内容を踏まえて特別賞が選ばれることになる。

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