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立体像ディスプレイを備えた3Dプリンタ「MiragePrinter」——プリンタの中でモデリングが可能

慶應義塾大学環境情報学部の筧康明研究室は、実空間に映像を重畳するAugmented Reality(AR)技術を組み合わせた3Dプリンタ「MiragePrinter」を開発した。

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MiragePrinterは、3Dプリンタ内に配置した空中像ディスプレイにより、造形ステージ上に実寸大の立体映像を投影することができる。造形前に完成形を確認したり、既製品を造形ステージ上に置いてモデル映像と見比べながら設計することが可能だ。また、実物のペンをおいてペンスタンドを造形するなど、既成品の上に直接プリントすることもできる。

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仮想モデルと造形物の位置の整合性を高めるため、カメラを用いて視点の位置に合わせて仮想モデルの見え方を変更したり、造形ステージを回転させて仮想モデルと造形物の角度を一致させる機能を搭載している。

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これまで既存の3Dプリンタでは、設計を完全に固めてから造形を行う必要があったが、MiragePrinterは造形途中で一時停止して設計を変更する、新たな形状をモデリングして追加するといった、設計と造形をインタラクティブに行き来する新たな造形プロセスを可能とした。

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MiragePrinterは、米アナハイムで開催されたコンピュータグラフィックス関連の国際会議SIGGRAPH 2016にて「SIGGRAPH 2016 Studio」に採択されるなど、高い評価を獲得。将来的には、ジェスチャ入力などより直感的な操作方法や、ミリングマシンなど他の造形ツールにも同様の考え方でインタラクティブな造形環境の構築が期待される。

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