「ジェームズ ダイソン アワード2016」国内審査通過5作品を発表
2016/09/09 18:00
ジェームズ ダイソン財団は、同財団が主催する国際エンジニアリングアワード「第11回ジェームズ ダイソン アワード2016」(以下JDA)の国内最優秀賞作品ならびに国内審査通過作品を発表した
JDAは、次世代デザインエンジニアの支援/育成を目的に毎年開催しているアワードで、募集テーマは「問題解決をデザインするアイデア」だ。2016年は世界22カ国で同時開催し、過去最多となる約1000の作品が集まったという。日本では42作品が集まった。
2016年の国内最優秀賞に選ばれたのは、プロダクトデザイナーの三枝友仁氏による「Communication Stick」だ。杖の中に「音声からテキストメッセージ送信」「受信したテキストメッセージの音声読み上げ」「転倒時の位置情報通知」の3つの機能を内蔵し、高齢者の外出における「迷子」と「転倒」の不安解消を目指す。現在、オープンソースハードウェアとして開発中で、2018年の製品化を目指しているという。
国内準優秀賞作品には、中央大学 理工学部精密機械工学科助教の山田泰之氏による「TasKi」が選ばれた。TasKiは、腕を長時間上げ続ける果実の収穫作業などをサポートし、農作業負担を軽減。ばねの力で腕の自重を相殺する電池不要、利用時間無制限の道具だ。
国内審査3位は、OTON GLASS代表取締役社長の島影圭佑氏による「OTON GLASS」。視覚的な文字情報を音声に変換する機能を備え、読む行為をサポートするスマートグラスだ。
さらに国内審査4位には、可聴域外を含む全ての聴覚情報を聴覚情報として知覚することを可能にする音の顕微鏡「Design for sound–Sound Microscope」、5位には、視覚障害者が触っている物の色調の違いを、指先に感じる振動の違いとして識別できる「color2vibs」が選ばれた。
国内審査通過5作品は今後、参加22カ国で第一次審査を通過した作品群と共に第二次審査に進む。9月29日に国際TOP20を、10月27日に国際最優秀賞と国際準優秀賞の結果を配信する予定だ。