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FabCafe Tokyoにバイオラボがオープン——音楽をゲノムに組み込んだ微生物を特別展示

デジタルものづくりカフェ「FabCafe」を運営するロフトワークは、バイオテクノロジーの実験や研究が可能な設備を備えるバイオラボを、FabCafe Tokyo内にあるコワーキングスペース「FabCafe MTRL」の個室にオープンした。

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バイオラボには、双眼実体顕微鏡、デジタル顕微鏡、インキュベータ、クリーンベンチ、オートクレーブ、スターラー、電子レンジ、食洗機といった実験機材を備え、安全性については、P1レベルの拡散防止措置(窓/扉の開放禁止)をとり、その中で扱える安全な組換え体のみを用いてバイオテクノロジーの実験や研究を行うことができる。同社では、バイオラボの運用やコミュニティ活動を通して、バイオテクノロジー領域の理解の促進やビジネス機会の創出を目指していくとしている。

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オープン記念として、音楽家やくしまるえつこ氏の作品『わたしは人類』の特別展示を開催する。同楽曲は茨城県北芸術祭の公式テーマソングとして、「人類滅亡後の音楽」をコンセプトに制作。制作に当たっては、茨城県北地域に古くから生息する藍藻(らんそう:シアノバクテリア)の一種の「シネココッカス」の塩基配列を楽曲に組み込んだ。

さらに、楽曲情報をコドン変換して新たなDNA配列を作り出し、それをシネココッカスのゲノムに組み込むことで、楽曲とそれを遺伝子情報として「記憶」している微生物を合わせて『わたしは人類』というひとつの作品を生み出した。このシネココッカスは、組み換えられた遺伝子情報を自己複製しながら生き続けることが可能なため、今までに類を見ない音楽記録媒体といえる。

特別展示では、作品を「音源」と「遺伝子組み換え微生物」の形で公開。微生物そのものも音楽作品として展示する試みは世界初で、経済産業大臣から大臣認可を受けた国内初の作品となる。

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やくしまる氏は、『わたしは人類』とリンクする楽曲『ロンリープラネット』の遺伝子を組み込んだ微生物も制作。特別展は2期に分けて行い、9月16~30日まで『ロンリープラネット』の遺伝子組み換え微生物を、11月10~20日まで『わたしは人類』の微生物を展示する。開催時間は13~18時で、入場料は無料だ。

やくしまるえつこ『ロンリープラネット』PV

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