“ジェームズ ダイソン アワード2016” 国際最優秀賞は折り畳み式ヘルメット「EcoHelmet」
2016/11/21 08:00
ジェームズ ダイソン財団は、同財団が主催する国際エンジニアリング コンテスト「第11回 ジェームズ ダイソン アワード2016」の受賞者を発表した。リサイクル可能な折り畳み式ヘルメット「EcoHelmet(エコヘルメット)」が今年の国際最優秀賞を受賞した。
ジェームズ ダイソン アワードは、プロダクトデザインやエンジニアリングを学ぶ学生などから「問題を解決するアイデア」を募集して毎年開催されている国際的なエンジニアリングのコンテストだ。2016年は22カ国から963の作品が集まった。
その中から国際最優秀賞に選ばれたEcoHelmetは、レンタル自転車利用者に向けた、リサイクル可能な折りたたみ式ヘルメット。紙を使った放射状のハニカム構造の採用により軽量かつ耐久性があり、セル構造が衝撃を頭部全体に均等に分散。従来のポリスチレンヘルメットと同様の効果を発揮する。生分解可能な耐水コーティングによって、最長3時間まで雨の中でも使用できる。
作者は米国プラット・インスティテュートのアイシス・シファー氏。2014年に慶應義塾大学大学院で研究中に初期コンセプトを見出し、開発に取り組んできた。世界各地でレンタル自転車が普及する一方、ヘルメットを着用する利用者がほとんどいないという問題の解決を目指したという。
構造がシンプルで材料も安価なため、製造コストも低減できる。同氏によると、レンタル自転車乗り場で1個あたり5ドルで販売する計画を立てているという。
また、国際準優秀賞2作品も発表した。豪州のキャサリン・カウェッキ氏が開発した「Respia」は、ぜんそくの症状を管理するためのシステムだ。ぜんそく患者の健康状態と呼吸器の投薬状況をモニターおよび記録できる。完全な設計の吸入器と、呼吸器の状態をモニターできるウェアラブル・パッチを一体化している。
カナダのホアーイー・ガオ氏が開発した「Smart Contact Lens Platform」は、採血や穿刺によることなく糖尿病患者の血糖値を測定するシステムだ。コンタクトレンズに搭載したセンサーが涙液膜で血糖濃度を感知し、装用者の血糖値を継続的にモニターできる。