オープンソースのドローツール「Inkscape」がバージョンアップ
2017/01/11 08:00
SVG(Scalable Vector Graphics)フォーマットをネイティブでサポートするフリーのドローツール「Inkscape」の最新版ver0.92が公開された。
Inkscapeは、Windows、Mac OS X、Linuxで動作するクロスプラットフォームのオープンソースソフトウェアで、W3C オープン規格のSVGを始め、AI、EPS、PDF、PS、PNGなど多くのファイル形式をサポートする。プロフェッショナルデザイナーからメイカーまで幅広いユーザーに利用されており、Adobe IllustratorやCorelDRAWなど高価な市販ツールにも引けを取らない機能を持っている。
今回公開された最新のver0.92では、新機能としてメッシュグラデーションが使えるようになり、よりフォトリアリスティックな表現が可能となった。パスへの多彩なエフェクトが加わり、ペンシルツールはインタラクティブなスムージングが追加されている。さらに、すべての描写エレメントはオブジェクトダイアログから直接管理できるようになるなど、ユーザーインターフェースも改良されている。
また、パッケージの導入に関しては、Linux環境ではsnapsが用意され、MacOS環境ではMacPortsによる管理に対応するなど、以前よりインストールが容易になった。
新機能追加のほか、CSSスタンダート準拠に関連した重要な変更として、デフォルトの解像度が90dpiから96dpiに変更されている。以前のバージョンで作成したファイルを開く際には解像度に関するダイアログボックスが表示されるので、注意が必要だ。またツール開発者向けの注意として、ビルド環境はAutotoolsからCMakeへと変更されている。