加工エリアは最大3m×2.5m——自走式ルーターロボットCNC「Goliath CNC」
2017/10/10 15:00
素材の上を自走式ルーターロボットが走行しながら加工するCNC工作機「Goliath CNC」がKickstarterで大人気となっている。
Maker向けのXYプロッタ型CNCの多くは、加工可能なエリアがツールヘッドを保持するブームのサイズにより決まるため、あまり大きな素材は加工できないという制限があるが、Goliath CNCはそんな制限を取り払うデザインを採用している。大きさ40x40x30cm、重さ10kgと、使わないときはロッカーなどに収納できるほど小型軽量で、使用するときは素材をCNCマシンにセットするのではなく、ルーターロボットを素材の上にセットする。
ルーターロボットを素材の上に置き、加工エリアをセンサーによって位置決めし、2台のセンサーベースとルーターロボットを接続することで、三角法で位置を正確に割り出している。ルーターロボットは、全方向に移動できるホイールを使って材料の上を移動しながら、切断、穿孔、彫刻などの切削加工を施す。
このセンサーシステムにより、加工エリアは最大3mx2.5m。加工精度は0.1mmを実現している。ホイールは片側3輪のモジュール構成で、常に2輪が材料と接触するデザインとし、切削面を走行しても精度に影響を受けないようにしている。
加工できる素材は、木材、アルミニウム、銅板およびプラスチックなど。最大切削深度は35mmで、Z軸の校正は自動で行われる。CADファイル形式は、dwg、svgおよびaiをサポートし、データを転送すればツールパスはシステムが自動計算してくれる。
例えば、素材表面を削りとる場合は、ルーターロボットが自分の加工した部分に落ち込まないよう、まず外形線を加工し、次に奥から手前に向かいながら内部を切削していくポケットツールバスをとっている。
Goliath CNCは11月19日までクラウドファンディングを実施するが、10月10日時点で目標額9万ドル(約1010万円)の6倍を超える57万ドル(約6420万円)以上を既に集めている。
Goliath CNCの早期割引価格は、1850ドル(約20万8000円)。出荷は2018年10月の予定で、日本への送料は70ドル(約7890円)だ。