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慶應義塾大学、柔らかい物体の3次元変形を検出するセンサー技術「FoamSense」を開発

ERATO川原万有情報網プロジェクトの研究チームは、柔らかい物体の3次元変形を検出する新しいセンサー技術「FoamSense」を開発し、国際学会「UIST2017」において発表した。

柔らかい物体の変形を検出するセンサーとしては、従来からひずみゲージや触覚センサーアレイなどが知られているが、硬い部品を必要とする、圧縮や伸張以外検出できない、厚みのある物体の3次元変形の検出が難しいなどの課題があった。

FoamSense
FoamSense

FoamSenseは、スポンジ状の物質に導電性インクを染み込ませた柔らかいセンサーだ。内部に隙間を持つ柔らかい材料は、外部から力が加わると内部の孔の形が変形する。配線部位を適切に設計して回路につなぎFoamSenseの抵抗値を読みこむことで、柔らかい物体の圧縮、ひねり、曲げ、剪断といった3次元変形を検出する。硬い部品を使わないので、柔らかい素材のみでできた縫いぐるみ、ソファー、ベッドなどで使用できる。

FoamSense
FoamSense

FoamSenseは、スポンジ、綿、スチレンビーズなど内部に隙間を持つ材料に導電性インクを染み込ませるというシンプルな方法で作成できる。材料の表面だけに染み込ませたり、一つの物質の中に複数のセンサーを作成したりできるので、アイデア次第でいろいろな用途に応用できそうだ。孔の形や位置をあらかじめ設計したスポンジを3Dプリンターで作成し、特定方向の変形を取得するようなセンサーの設計もできるという。

この技術を応用すれば、例えば、抱っこの仕方で反応の変わる縫いぐるみ型ロボットや使用者の寝返りを検出する枕型センサーなどの開発も可能だろう。

FoamSense

FoamSenseは、筧康明氏(慶應義塾大学環境情報学部 准教授)の研究室に所属する中丸啓氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科博士課程)らを中心とした研究チームが開発。先日fabcrossで紹介した「BlowFab」と同じく、ERATO川原万有情報網プロジェクトに属する研究グループの成果だ。研究成果は、BlowFabと共に国際学会UIST2017において発表された。

今後は、より高性能なセンサーの設計や、AI学習等を用いて変形による抵抗値の変化を解析しさらに複雑な変形状態の取得に取り組むという。

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