米ワシントン大、電気を使わずWi-Fi経由で情報を送信するセンサー技術を発表
2017/12/08 13:30
米ワシントン大学は、電気を使わずWi-Fi経由で情報を送信するセンサー技術を発表した。
この技術は、3Dプリントしたプラスチック製センサーに「後方散乱方式(backscatter system)」を適用して一般のWi-Fi受信機と情報交換させようというものだ。
後方散乱方式は、2016年に同大学が発表した「相互散乱通信(interscatter communication)」の類型で、機器自らが電波を出す代わりに、アンテナでWi-Fiルーターなどの無線機器からの電波を反射し、そこに情報を乗せて送る技術だ。
今回発表されたセンサーの場合、導電性フィラメントで3Dプリントしたアンテナをセンサーに埋め込む。センサーが捉える物理的な動きがギアやばねを通してアンテナに伝達されて間欠的にアンテナを接続または切断し、電波の反射状態を変えることで情報を伝達する仕組みだ。さらに、導電フィラメントの材質を変えて、その磁気特性から静的な情報も乗せることが可能だという。
ワシントン大学の研究チームは、風速計、流量計などを3Dプリンターで実際に作り情報伝達に成功した。また、洗濯用洗剤ボトルに取り付けるセンサーも試作し、洗剤が残り少なくなったら注文するよううながすメッセージをスマートフォンのオンラインショップアプリへ自動的に送ることも可能だとしている。さまざまな分野に応用することができれば役立ちそうな技術だ。