ラズパイで聞こえない「音」を観測——超低周波音センサー「Raspberry Boom」
2018/03/26 15:30
Raspberry Pi用超低周波音(インフラサウンド)センサー「Raspberry Boom」がKickstarterに登場し、わずか6分で目標額に達するほど人気を博している。
Raspberry Boomは、以前fabcrossで紹介したホーム地震計「Raspberry Shake 4D」のクリエイターが開発した超低周波音センサーだ。対応モデルは、Raspberry Pi B/B+/2B/3B/Zero/Zero W。低周波空気振動を差圧センサーで捉え、HATボードでデジタル信号に変換してRaspberry Piへ入力する。
超低周波音(インフラサウンド)とは人間の耳には聞こえない20Hz以下の音波のことをいう。低周波空気振動とも呼ばれ、工場の機械、高速道路の高架橋、風力発電用の風車などから発生することが知られている。
超低周波音は、人工物だけでなく、地震、火山活動、雪崩、海洋波などの地球物理現象(自然現象)によっても発生する。超低周波音は長距離に渡って伝わるので、超低周波音を利用して自然現象の発生を捉えることが可能だ。
Raspberry Boomは、火山噴火、氷山の崩壊、地震、風力発電機、航空機など自然現象や人為的現象、人工物から発生するさまざまな超低周波音を捉えることができる。スペースXが開発した宇宙飛行用大型ロケット「Falcon Heavy」が2018年2月に初打ち上げされた際、打ち上げシーケンスとブースター逆噴射によって発生したソニックブームを捉えて記録することにも成功したという。
Raspberry Boomの早期割引価格は、Raspberry Piなしのキットが179ドル(約1万9000円)で、Raspberry Pi付き完成品が279ドル(約2万9000円)。差圧センサーとボードのみでRaspberry Piやエンクロージャーを含まないキットもあり、Raspberry Boomを他のデバイスに組み込むこともできる。価格は179ドル(約1万9000円)だ。
また、ホーム地震計と超低周波音センサーを一体化した「Raspberry Shake & Boom」も用意されており、Raspberry Piなしのキットが339ドル(約3万6000円)、Raspberry Pi付き完成品は459ドル(約4万8000円)。Raspberry Shake & Boomを使えば、1つの現象を地上と地下の両面から捉えられる。
いずれも出荷は2018年7月の予定で、日本への送料は30ドル(約3100円)だ。
Raspberry Boomは2018年4月21日までクラウドファンディングを実施するが、2018年3月26日時点で目標額7000ドル(約73万円)の7倍を上回る約5万1000ドル(約530万円)を既に集めている。