「ジェームズ ダイソン アワード 2018」過去最多となる27の国と地域で開催
2018/04/09 14:00
ジェームズダイソン財団は、同財団主催の国際エンジニアリングアワード「ジェームズ ダイソン アワード 2018」の募集を開始した。
同アワードの課題は「問題を解決するアイデア」。エンジニアリング/デザインを学ぶ学生や卒業生にとって、世界を舞台に自らのアイデアを発表できる機会との位置づけだ。 国際最優秀賞作品には賞金3万ポンド(約450万円)、準優秀賞2作品には賞金5000ポンド(約75万円)、国内最優秀賞の1作品には賞金2000ポンド(約30万円)が贈られる。
募集締め切りは2018年7月20日だ。今年からメキシコ/アラブ首長国連邦/スウェーデン/フィリピンが参加し、世界27の国/地域から応募を受け付ける。
昨年の国際最優秀賞は、低コストのメラノーマ早期発見用機器「sKan」が受賞。2016年は、リサイクル可能な折りたたみ式の紙製ヘルメット「EcoHelmet」が受賞している。
また、昨年の国内最優秀賞は電動義足「SuKnee」が受賞し、国際TOP20にも選出された。 生体メカニズムに基づくアクチュエーターを開発/融合した電動アシスト機能を備えており、膝の伸展や屈曲、椅子からの起立、階段の昇降などの動作をアシストしてくれる。 ジェームズ ダイソン アワード受賞後、現在は試作品のバージョンアップに向けて開発に注力している段階だという。
国内受賞作品として製品化を予定しているのは、ジェームズ ダイソン アワード 2015で国際TOP20を受賞した学習機能搭載/排泄検知シートだ。これはシート全体から空気を吸い込むことで排泄物の臭いを吸引し、排泄を検知して介護者に知らせるというもの。 ジェームズ ダイソン アワード受賞後は事業化を促進させ、今年上半期に「排泄センサー Helppad」の製品名で発売を予定している。
2015年に国際最優秀賞を受賞したのは、プリント基板(PCB)の開発機器である「Voltera V-One」だ。ラピッドプロトタイピング原理の応用により、数分でデザインファイルからプロトタイプ基板を制作できる。
2014年の国際最優秀賞は「MOM」が受賞。発展途上地域向けの低コストの空気注入式保育器で、移動時は折り畳め、停電時はバッテリーで24時間利用できる。 手動で膨らませることができ、暖房にはセラミック発熱体を使用。スクリーンに現在の温度と湿度が表示され、妊娠期間に応じて設定できる。現在は、製品化に向けての準備段階だ。