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ナノスケールの金属構造物を3Dプリントする新プロセスを開発

カルフォルニア工科大学が2018年2月9日、ナノスケールの金属構造を3Dプリントする新技術を開発したと発表した。金属イオンを含む有機足場鎖を合成することにより、従来よりも桁違いに小さい金属構造の3Dプリントができるようだ。医療用超小型インプラントの制作やコンピューターチップ上に3D構造のロジック回路を作成しての超軽量航空機の設計への応用などが期待される。この研究成果は『Nature Communications』に論文「Additive Manufacturing of 3D Nano-Architected Metals」として2018年2月9日に発表されている。

Julia Greer教授らの研究グループは、梁の長さがナノスケールの3D格子を造形したところ、特異な性質を示すことに気が付いた。例えば、圧縮すると元の形状へとスポンジ状に戻る非常に軽量なセラミックスを造形することができた。ポリマーなどでは2光子レーザーで材料と光が相互作用し、材料を固化させ、精密な物体構造を制御できたが、金属材料では同じ方法が使えない。そのため、これまでは金属材料を使って50μm以下の構造を3Dプリントすることができなかった。

今回、大学院生のAndrey Vyatskikh氏が金属材料のナノスケール構造を持つ3Dプリントへの解決策を導いた。Vyatskikh氏は金属と結合する有機リガンド(配位子)を利用し、ポリマーを主要成分に持つレジンを作った。実験では、ニッケルと有機分子を結合させた液体を作り、2光子レーザーを用いてコンピューターで設計した構造を3Dプリントした。レーザーによって、有機分子間により強い化学結合が形成され、構造の基礎単位となるブロックを形成。有機分子の構造が形成されていく際、分子に結合しているニッケルも構造中に取り込まれる。次に、3Dプリントされた物質をオーブンに入れ、真空チャンバー内で徐々に1000℃まで加熱する。ニッケルの融点は1455℃なので、ニッケルはそのまま残留し、有機物のみ蒸発する。加熱の過程では同時に熱分解によって金属粒子が融合する。そして主成分の有機材料が蒸発することにより、形状と比率を維持したまま加熱前の20%の大きさに縮むため、結果としてナノスケールの構造が得られるという仕組みだ。

将来は有機材料の蒸発によって出来る隙間とわずかに残る不純物残留を無くすよう技術を改善していくという。また製造業での利用を目指し、セラミックスや半導体、圧電材料などの多くの素材で構造を3Dプリントできるように研究が進められる。そして、産業界で一般的に使用されるタングステンやチタンなど、現状ではナノスケールでの造形が難しい素材への応用を検討している。

fabcross for エンジニアより転載)

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