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HP、金属3Dプリンティングの新テクノロジー「HP Metal Jet」を発表

HPは、金属3Dプリンティングの新テクノロジー「HP Metal Jet」を発表した。ボクセルレベルのバインダージェッティングテクノロジーにより、最終製品として利用可能なパーツを量産できる。

HP Metal Jet

金属3Dプリンターの代表的な方式には、合金の粉末を敷きつめたパウダーベッド(粉末床)にレーザービームや電子ビームを照射して目的物の断面形状を溶融し結合させるパウダーベッド方式と、溶融した金属材料を所定の場所に積層し凝固させて造形するメタルデポジション方式があるが、HP Metal Jetはこれらとは大きく異なる方式だ。

公開された資料によると、HP Metal Jetは、パウダーベッドにビームを照射する代わりにポリマーを含む液体結合剤を滴下し、金属粉を1層ずつ固めて積層する。積層後、パウダーベッドを加熱して液体成分を蒸発させ、ポリマーが硬化した後に表面のパウダーを除去し、焼結して完成させる。ポリマーは焼結時に分解される。この手法により、従来の方式に比べ最大で50倍の生産性が得られるという。造形エリアサイズは430×320×200mmだ。

HP Metal Jet

HP Metal Jetに使われる結合剤は水性で、サーマルインクジェットプリントヘッドを使ってパウダーベッドへ滴下する。2Dプリンター分野で長年に渡る実績を持つHPならではの技術と言えるだろう。

「HP Metal Jetソリューション」の価格は、39万9000ドル(約4400万円)未満になる予定。一般顧客への提供開始は2021年の予定だ。

HPは、同時にHP Metal Jetを使った「Metal Jet Production Service」も発表した。このサービスでは、HPウェブサイトで顧客がデータをアップロードしHP Metal Jetとの互換性をHPがチェックした後、同社の製造パートナー企業から見積もりやサンプル部品を出してもらい量産発注ができる。Metal Jet Production Serviceは、2019年から提供される予定だ。

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