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皮膚に貼って音楽再生できる——伸縮性の高いナノ膜スピーカーを開発

韓国蔚山科学技術大学(UNIST)の研究チームが、皮膚に貼りつくナノ膜スピーカーを開発した。銀のナノワイヤアレイをポリマーに組み込み、強度と柔軟性を備えた透明な導電性ナノ膜を作成したもので、研究結果は2018年8月3日の『Science Advances』に掲載されている。

皮膚に貼り付けられるデバイスとしては、グラフェンベースの柔軟なポリマーナノ膜が開発されているが、機械的には破壊靱性が低く、外部から大きなひずみが加わると破損する可能性もある。そこで研究チームは、銀のナノワイヤ(AgNW)をポリマーの中に一方向に組み込むと機械的強度が上がることに注目。AgNWを直交に配列して機械的強度と電気的特性を上げながら、透明性も維持することに成功した。厚さは100nmで、曲面やでこぼこのある面にも柔軟に接触するという。

応用例として、交流電圧の印加時にAgNWのジュール熱が温度振動が周囲の媒体に伝搬して音波を生じる「熱音響ナノ膜スピーカー」を作成した。実際に手の甲にスピーカーを貼りつけ、パガニーニのバイオリン協奏曲「ラ・カンパネラ」を再生できたという。

さらに、ウェアラブルマイクロフォンも作成。マイクロピラミッドパターンを持つポリジメチルシロキサン(PDMS)フィルムと組み合わせ、摩擦電気電圧信号によって、声帯の音や振動を検出する。音声認識システムにナノ膜マイクを組み込み、登録者のみアクセス許可されることを確認したという。

fabcross for エンジニアより転載)

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