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次世代電子デバイス「マグノンデバイス」のノイズ特性が明らかに

Credit: Balandin Lab

電子デバイスが実用的な用途に使えるのか、特にノイズ特性は重要な指標だ。カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームは、次世代電子素子として注目を集めるマグノンデバイスのノイズに関する考察を行い、実用化に向けた重要な一歩を踏み出した。研究成果は、2019年3月4日付けの『Applied Physics Letters』に掲載されている。

現在の電子デバイスは電子の移動を利用している限り、いずれ性能の限界に近づくことは広く知られている。電流が導線や半導体を通ると、熱が発生してエネルギーを失うためで、トランジスタの集積度が高くなるにつれ、ますますエネルギー損失が多くなり、小型化、高速化が困難になる。

そこで近年、エレクトロニクスにかわる技術として、「マグノン」を使う「マグノニクス」に注目が集まっている。マグノンとは、電子のスピン波を量子化した準粒子で、スピン波の伝搬には電子の移動を伴わないので、熱の発生やエネルギー損失が起こらないのが特徴だ。超低消費電力の次世代電子デバイスとして期待されている。

電子デバイスと同様、マグノンデバイス中の低周波ノイズはその性能や用途を限定してしまう。一方、低周波ノイズの測定方法を確立すれば、マグノンの輸送特性を研究する上での新しい分光ツールとしても期待できる。特に室温でのノイズ特性を知ることは、マグノニクスの発展に不可欠だ。

研究チームはスピン波の研究で良く使われるYIG(イットリウム鉄ガーネット)導波路を作製。YIG薄膜の上に送受信用のマイクロストリップアンテナを配置した。送信アンテナに交流電流を印加してマグノンを励起、YIGチャネル内にスピン波を発生させた。受信アンテナではスピン波によって生じた誘導電圧から、マグノンノイズを測定した。

実験から、入力電力がある閾値を超えると異常ノイズが発生し、ランダムテレグラフノイズ(RTN)と呼ばれる離散的な揺らぎに支配されることが分かった。これは、従来の電子デバイスでは1/f揺らぎが支配的であるのとは対照的だ。ただし、入力電力が低い場合はかなり小さく目立たないことも分かった。

今回明らかになったノイズ特性を考慮すると、マグノンデバイスは低電力で動作させたほうが良いようだ。このことは、マグノンデバイスの開発の妨げにはならないと研究チームは語る。今後は、マグノンノイズの物理学的メカニズムの解明のほかに、小型デバイスの作製とテストも行う予定だ。

fabcross for エンジニアより転載)

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